Lv20 ガルテナ
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った。
しかし、前方にいる者達からは、そういった殺気といったモノが微塵も感じられないのである。
だからだろうか。今の俺は警戒をしてはいるが、それほど緊迫した風には考えていないのであった。
馬車が前方の者達に近づく中、俺はアーシャさんとサナちゃんに視線を向けた。
すると2人は物凄く強張った表情をしていた。この表情を見る限り、相当ビクビクしているに違いない。
だが俺はそんな2人を見て、少し危うさを感じたのであった。
なぜかというと……集団戦闘における極度の緊張は、同士討ちを招く恐れがあると聞いた事があるからだ。ちなみにそれを聞いたのは、以前見た戦争ドキュメンタリー映画か何かでだった気がする。
まぁそれはともかく、これは非常に重要な事である。
その説が正しいかどうかはともかく、正常な判断を下すには、やはり、心にゆとりがどうしても必要だからだ。
「あの、アーシャさんにサナちゃん……そんな顔してたら、向こうも不審に思いますよ。もう少し楽にしましょう。多分、大丈夫ですよ」
「そ、そうですよね。……少し、肩に力が入りすぎてしまいました」
「ですが……もし魔物だったらと思うと……」
アーシャさんはそう言って、体をブルッと震わせた。
この様子だと、またザルマの事を思い出したのだろう。
仕方ない……安心させる為にも、さっき思った事を話すとしよう。
「アーシャさん、大丈夫ですよ、魔物じゃないと思います。俺、何となくわかるんですよ。前方にいる者達からは、殺気というものが感じられないですからね。だから、魔物の可能性がかなり低いですよ」
「ほ、本当ですか?」
「ええ、本当です。だから大丈夫だと思います。俺もこう見えて、結構魔物と戦ってきましたからね。魔物の放つ殺気はよくわかるんですよ」
まぁこれは半分嘘だ。が、少しでも気がまぎれるならと思い、俺は言ったのである。
だがこれが功を奏したのか、アーシャさんの震えは次第に治まってきた。
またそれと共に、不安そうな表情も徐々に和らいでいったのである。
どうやら少しは安心したのだろう。
「コータローさんの話を聞いて、本当にそんな気がしてきましたわ。ありがとうございます、勇気づけてくれて」
「なに、お安いご用ですよ。……ン?」
と、そこで、馬車はゆっくりと停車したのである。
馬車の前方には、金属製の鎧を着こんだ男が3人とローブを着た女性が2人おり、俺達の進路に立ち塞がるよう立っていた。年齢は男女共、20代後半から30代前半くらいといったところだろう。
5人は今、ジッと俺達を見ている。向こうもすぐに動かないところを見ると、俺達の様子を見ているのかもしれない。
俺はそこで、まず3人の男に視線を向けた。
3人共、俺より背が高く、腕っぷしの強そうな体型
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