Lv20 ガルテナ
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い。それと、後ろのシェーラにも、それを伝えておいてくれないだろうか」
「わかりました」
俺はそこでアーシャさんとサナちゃんに視線を向けた。
すると今のレイスさんの言葉で察したのか、2人は俺にコクリと頷く。
そして、いつでも魔法を行使できるよう杖を手に持ったのである。
魔物と何回か戦闘をしているので、この辺りの対応は流石にもうわかっているようだ。
俺はそこで前方にチラッと視線を向けた。
するとレイスさんの言った通り、200m程先に何者かが数名いた。
この位置からだと細かい部分はわからないが、手と足と頭がある事から、俺達と同じく人間型の種族のようだ。
またその者達は、前方で止まって待機しており、こちらをジッと窺っているようであった。もしかすると、向こうも俺達を警戒しているのかもしれない。
前方にいるのが何者なのかはわからないが、人に化けた魔物という可能性もあるので、俺もすぐに魔法を発動できるよう、魔力操作に意識を向かわせたのである。
前方の様子を確認した俺は、魔力の流れを操りながら、馬車の後部座席に移動し、シェーラさんに今の内容を告げた。
「シェーラさん……前方に何者かがいます。昨日のような事もあるかもしれませんので、後方も十分に注意して下さい。挟み撃ちの可能性もないとは言えませんので」
俺の言葉を聞き、シェーラさんは目を細め、右手を剣の柄に添えた。
「わかったわ。でもその時は、コータローさんも援護をお願いね」
「勿論です」
そして俺達は静かに臨戦態勢に入ったのである。
レイスさんは前方にいる者達に近づくにつれ、馬車の速度を更に落としていった。
またそれと共に、前方にいる者達の姿も少しづつ判別できるようになってくる。人数は5名で、ラミリアンではなく人間のようだ。その内3名は、レイスさんやシェーラさんのように金属製の鎧を身に着ける重装備をしていた。
しかも、それぞれが剣や斧に槍、そして弓といった得物を装備している為、非常に物々しい雰囲気を漂わせている。
他の2名はローブと杖を装備しているので、どうやら魔法使いのようだ。
とりあえず、今の位置からだとわかるのはその程度の事であった。
もう少し近づけば、容姿もはっきりと分かるだろう。
ちなみに、今のところは魔物のような素振りは見えない。が、変化の杖を使って化けている可能性も否定できないので、油断は禁物である。
だがしかし……俺は何となく、前方にいる者達は魔物ではないような気がしたのだ。
なぜそう思ったかというと、魔物達が放つ禍々しい殺気が感じられなかったからである。
俺は今まで、ベルナ峡谷で何体もの魔物と訓練してきたが、そこで遭遇した魔物達はどれも俺を殺そうと殺気立っていた。勿論、ザルマ達と戦った時の魔物達もそうであ
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