Lv20 ガルテナ
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私はヴァロムさんの弟子でコータローといいます」
「私も同じくオルドラン様の弟子で、アーシャと申します」
「儂はリジャールじゃ。昔は王都で魔導器製作の技師をしておったが、今はわけあってこの地で暮らしておる者じゃ」
自己紹介も終えたので、俺は早速本題に入る事にした。
「ではリジャールさん、本題に入りたいと思います。ヴァロムさんから、ある物を受け取ってきてほしいと私は頼まれたのですが、それはもう出来ているのでしょうか?」
「うむ。もう出来ておるぞ」
リジャールさんは頷くと立ち上がり、壁際にある棚へと移動した。
そして、棚から弁当箱くらいの小さな木箱を取り出し、こちらに持ってきたのである。
「これがヴァルの奴から制作を依頼された『カーンの鍵』というやつじゃ。中を確認してくれ」
「カーンの鍵?」
「カ、カーンの鍵……」
アーシャさんは知っているのか、目を大きくしていた。
俺はそこで、もう一度確認をした。
「あの……私は受け取ってきてほしいとだけ言われただけで、どういう物かまでは聞いてないのです。ヴァロムさんが依頼したのは、これで間違いないのですね?」
「うむ。頼まれたのはその鍵で間違いないが……ヴァルの奴から何も聞いておらんのか?」
「ええ、ある物を貰ってきてほしいとしか……」
「ふむ……用心深い奴の事じゃから、情報が洩れぬよう細心の注意を払ったのじゃろう。まぁよい。それはともかく、箱を開けてみよ。盗まれてるなんて事はないとは思うが、一応、確認だけはしておかんとの」
「では拝見させてもらいます」
俺は頷くと、箱を開いて中を確認する事にした。
すると中には、赤い宝石のような物が埋め込まれた銀色の鍵のような物が入っていたのだ。が、しかし、それは明らかに普通の鍵ではなかった。
なぜならば、鍵というには欠けている部分があったからだ。
このカーンの鍵とやらの先端部には、溝というモノがないのである。
つまり、形状は鍵に似ているが、鍵の部分には何の加工もされていないのだ。
「これは本当に鍵なのですか? 鍵を模した装飾品のように見えるのですが……」
「ああ、それは確かに鍵じゃ。ただし、普通の鍵ではない。これは魔法銀の錬成によって生れた魔法の鍵なのじゃよ。ヴァルの奴、どこで材料と製法を手に入れたのか知らんが、ヘネスの月に入りかけた頃に、突然、儂の所にやってきてな、これを作れと言ってきたんじゃよ。驚いたわい」
へネスの月ということは、今から2か月ほど前である。
「魔法の鍵……」
「魔法の鍵ですって……」
アーシャさんは目を大きくして、箱の中を覗き込んだ。
この表情を見る限りだと、キメラの翼のような逸話があるのかもしれない。
と、そこで、今度はリジャールさんが質問をしてきた。
「それはそうとじゃ……お
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