Lv20 ガルテナ
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更に進むと、なだらかに傾斜した丘とログハウス調の家屋が見えてくるようになった。
村の入り口にあった見取り図だと、宿屋の手前にある十字路を右に曲がり、真っ直ぐ突き当たった場所にリジャールさんの名前が書かれていたので、恐らく、あれがそうなのだろう。
家屋に目を向けると、今は夕刻というのもあってか、窓から明かりが漏れていた。どうやら、人はいるみたいである。
程なくして俺達は、その家へと辿り着いた。
そして俺は、玄関扉を開き、中に向かって呼びかけたのである。
「ごめんくださ〜い。すいませんが、誰かおられますか?」
明かりが見える奥の部屋から、男の声が聞こえてきた。
「おるぞ。何の用じゃ」
「あの、リジャールさんという方にお会いしたいのですが、こちらがリジャールさんのお宅で間違いないのでしょうか?」
「儂に会いたい?」
すると奥の部屋の扉が開き、灰色のローブを纏う年経た男が現れたのである。
歳はヴァロムさんと同じか、少し上の年齢であろうか。頭髪は5分刈りくらいの坊主頭で、髪は全て真っ白だ。また、顎と口元に伊藤博文のような白い髭を生やしており、妙に威厳が漂う老人であった。
まぁそれはさておき、男は玄関の方へとやってくる。
「ン、アマツの民に若い女子か? まぁよい。今、儂に用があると言っておったが、一体何の用じゃ。儂も今忙しいのでな、手短に頼むぞ」
どうやらこの人物がリジャールさんのようだ。
俺はオルドラン家の紋章を道具袋から取り出し、老人に見せた。
「私はヴァロムさんの使いでやってきた、コータローと申します」
「お、お主……ヴァルの使いの者か」
リジャールさんはそれを見るや否や、驚くと共に目を鋭くした。
そして周囲を警戒しつつ、控えめな声で言ったのである。
「……中に入るがよい。さ、こっちじゃ」
「では失礼します」――
俺達は明かりが灯る奥の部屋へと案内された。
そこは、俺達が宿泊する部屋と同じくらいの広さであった。が、奇妙な鉱石が沢山並ぶ棚や、石の入った箱、そして魔導器の類が幾つも置かれている為、妙に狭く感じる室内であった。
だが、見た事のない魔導器や奇妙な色をした石が置かれている事もあってか、俺は妙に好奇心がそそられたのである。
アーシャさんも俺と同様で、興味津々といった感じであった。
まぁそれはともかく、リジャールさんは俺達を部屋に案内すると、幾つかある木製の椅子を指さして、そこに座るよう促してきた。
「では、立ち話もなんじゃ。その辺の椅子にでも掛けてくれ」
「ではお言葉に甘えて」
俺とアーシャさんは、近くにある椅子に腰掛けた。
そこでリジャールさんも腰を下ろす。
というわけで、俺はまず、自己紹介をした。
「リジャールさん、改めて自己紹介させてもらいます。
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