Lv19 変化の杖
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晴れてゆく。
そして完全に煙が晴れたところで、皆は互いの姿を見て、安堵の表情を浮かべたのであった。
「も、元の姿に戻りました。はぁ、一時はどうなる事かと思いましたわ」
「アーシャちゃんの言うとおりだわ。……ずっと魔物だったらどうしようと思ったわよ」
流石に俺も悪いと思ったので、ここは謝る事にした。
「すいませんでした。試すなんて軽率すぎましたね。申し訳ありませんでした」
レイスさんは頭を振る。
「いや、それは構わない。コータローさんのお蔭で、我々のような姿に奴等が化けれるという事がわかったのだからな」
「ええ、レイスさんの言うとおりです。これからは例え魔物ではなくても、十分注意しなければいけません。ですから、さっき言った変装の件は、よろしくお願いしますね」
レイスさん達は真剣な表情になり、無言で頷いた。
「それとこの杖は、いざという時の為に持って行きましょう。考えてみれば、これは素晴らしい変装道具かもしれませんから」――
[X]
朝食後、サナちゃん達3人はロランさんの元へと向かった。
だが俺とアーシャさんはそこへは一緒に行かなかった。
なぜなら、片付けなければいけない別の用事があるからだ。
俺達が向かった先……それは宿屋の主人の所であった。目的は勿論、昨日手に入れた戦利品の売買交渉をする為である。
というわけで、その交渉結果だが……宿屋の主人が、まず最初に提示してきた額は2000Gという金額であった。
しかし、相手の言い値をそのまま受け入れるほど俺も馬鹿ではない。
そういうこともあろうかと、昨晩の打ち合わせの時、レイスさんとシェーラさんにある程度の見積もりは出してもらったのである。
そして、レイスさんはその時、こんな事を言っていたのだ。
「昨日行ったマルディラントの馬車屋だと、あのタイプの馬車は馬なしで6000Gくらいはしていた。だから2頭の馬付きで新調すると、最低でも8000G、いやあの馬だと……10000G以上はする筈だ。交渉する時は、その半額か、もしくはその付近の金額が妥当なところだろう」と。
というわけで俺は、足元を見られないように少しだけ粘る事にした。
多少の駆け引きの後、最終的な売値は馬を込みで3000Gという値段で落ち着いた。
想定よりも少し安い金額かもしれないが、元の所有者がアレなので、この金額で妥協する事にしたのである。
話は変わるが、この馬車を俺達が使うという選択肢も勿論あった。
だが、この馬車は魔物達が使っていた物である。これを使う事によって、どういった不利益を被るかが予測不可能な為、俺達はこの馬車を使う事を断念する事にしたのだ。
やはり、余計な戦闘は極力避けたいので、この決断は致し方ないところであった。
まぁそんなわけ
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