Lv19 変化の杖
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ないくらいに視界が悪くなった。
そこで皆の声が聞こえてくる。
「な、何ですの、この煙は!」
「何これ!?」
「こ、これは!?」
「この煙は一体……」
だがそれも束の間の事であった。
暫くすると紫色の煙は晴れてゆき、視界も徐々に良くなっていったのである。が、しかし……煙が完全に消え去ったところで、俺達は互いの姿に驚愕したのであった。
「な、何よ、皆一体どうしたの!」
「そんな馬鹿な!」
「ど、どうなってるんですの」
「これは、ま、幻?」
俺達の姿はどうなったのかというと……。
なんと! 俺達は全員、魔物になっていたのである。
しかも、ガーゴイルやホークマンといった鳥人間のような姿に変化していたのだ。
この突然の変化に俺は焦った。
だがそれと同時に、あのアイテムの事が、俺の脳裏に過ぎったのである。
そう……船乗りの骨を貰える、あのアイテムの事だ。
俺は思わず、その名を口にしていた。
「これは……もしや……変化の杖か」
「へんげの杖? な、何ですのそれは?」と、アーシャさん。
とりあえず、適当に言っておこう。
「実は俺も以前、噂で聞いた事があるんですよ。自分の姿を何にでも変化させられる魔法の杖があるという事を」
「そんな杖があるのですか? 初耳です」
これは多分サナちゃんの声だ。
「まぁ俺も詳しくは知らないんだけど、そういう杖があるという事だけは、聞いた事があるんだよ」
「コータローさん、それは分かりましたが、これは元に戻れるんですの? 私、ずっとこんな姿なんて嫌ですわよ!」
「私もよ!」
「私もだ!」
「えっと……私も」
4人の抗議の声が聞こえてくる。
まぁこうなるのも無理はない。
だが、この杖がゲームと同じという確証はないので、俺も曖昧な返事になってしまったのである。
「た、多分、一時的な変化だと思うんで、元に戻れるとは思うんですけど……」
実を言うと俺も不安なのだ。
皆にはこう言ったが、本当に元の姿へ戻れるのだろうかと考えてしまうのである。
確かにゲームだと、ある程度の時間が経過すると元に戻った。が、しかし、この杖がゲームと同じ変化の杖だという確証はどこにもないのだ。
(ゲームだと歩いている内に効果が切れたから、歩くといいんだろうか……ン?)
ふとそんな事を考えていると、反対側についている水色の石が視界に入ってきた。
これはもう試すしかないだろう。
「あ、ちょっと待ってもらえますか。次は反対側の石を試してみますね」
俺はそこで、杖を回転させて上下逆にする。
それから先程の要領で、水色の石に微量の魔力を籠めたのである。
するとその直後、今度は水色の煙が一斉に噴き出し、室内に充満していったのだ。
暫くすると、先程と同じように煙も
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