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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv19 変化の杖
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流れが感じられるので、どうやら、普通の杖ではないようだ。
 俺は次に棒の部分に目を向けた。
 長さは1.5m程度だろうか。物干し竿くらいの太さがある茶色い棒で、そこには奇妙な模様が幾つも彫りこまれていた。
 とりあえず、見た目は大体こんな感じだ。
 全体的に、どことなく美術品のような印象を受ける美しい杖であった。
 魔物が持つには、あまり似つかわしくない杖である。
 と、そこで、アーシャさんの声が聞こえてきた。
「あの悍ましい魔物達が所有してたという割には、やけに美しい杖ですわね……」
 アーシャさんも俺と同じことを思ったようだ。
「そうですよね。でも何の杖だろう……。馬車の中に置いてあったという事は、戦闘で使う物じゃないのかもしれないな……」
「ロランさん達はあの時、馬車を透明にしたと言ってました。もしかすると、その為の道具なんでしょうか?」と、サナちゃん。
「う〜ん、どうだろうね……。そうなると、透明になった馬車の中にあるというのも妙な話だし」
「それもそうですね」
 さて、どうしたもんか……この杖は恐らく、魔道士の杖のように、微量の魔力を籠めることで効果が得られるものだと思う。が、試してみるべきかどうかが悩みどころであった。
 とはいうものの、この杖から感じる魔力の流れからは、危険な雰囲気というものは感じられない。
 だが、万が一という事もあるので、その辺が少し気になるところではあった。
(どうするかな……まぁ危険な気配は感じないから、とりあえず、試してみるのも手か……)
 というわけで、俺は4人に確認した。
「杖の力を試してみてもいいですかね? この杖には何らかの魔法が込められているのかもしれないので、何が起きるかはわかりませんが……」
 アーシャさんは眉根を寄せる。
「え、試すって……ここでですの?」
「ええ、ここでです。この杖からは攻撃魔法特有の荒々しい魔力の流れや、ラリホーやルカニといった攻撃補助魔法特有の嫌な魔力の流れが感じられないから、多分、それほどの危険はないと思うんですよ。まぁ俺の勘ですが……」
 今の言葉を聞き、4人は顔を見合わせた。
「そうですか。なら、コータローさんの判断にお任せしますわ」
「私もコータローさんの判断にお任せします」
「やってみてくれ」
「いいわよ、試しても」
 全員が了承してくれたので試すことにした。
「では試しますね。でも、万が一という事もありますんで、少し離れてもらえますか」
 4人は頷くと少し後退する。
 それを見届けたところで、俺は紫色の水晶部分に手を添え、微量の魔力を籠めたのであった。
 するとその直後、なんと水晶球から、紫色の煙のようなモノが、一斉に噴き出したのだ。
「うぉ! 何じゃこりゃ!」
 煙はみるみる室内に広がってゆき、何も見え
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