Lv19 変化の杖
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馬車は、全て売り払うのですか?」
「まぁそのつもりだけど……何か問題がありますか?」
「馬車はともかくですが、馬2頭は私達が使ったらどうかしら?」
「馬を……ですか?」
「ええ。お兄様も以前言ってましたわ。馬は馬車よりも小回りが利きますから、馬車移動する際は周囲の偵察と護衛の為に、必ず騎馬隊を何名か同行させると」
確かに、アーシャさんの言う事も一理ある。
(馬だけは俺達が貰っておいた方がいいかもしれない……でもそうなると餌の問題も出てくるな。どうしよう……)
そんな風に俺が悩んでいると、シェーラさんが話に入ってきた。
「アーシャちゃんの言う通りよ。確かに偵察や護衛もそうだけど、馬単体としての機動性は馬車よりもはるかに上よ。それを考えると、対応出来る事の幅が広がるわ。だから、一緒に連れて行った方が良いかもしれないわね」
レイスさんもそれに賛同する。
「コータローさん、私もシェーラと同意見だ。しかも、あの馬は良い身体つきをしていた。恐らく、馬自体も旅慣れている気がする。なので、乗る乗らないに関わらず、連れて行った方がいいかもしれない」
旅慣れたこの2人の意見を聞き、俺も決心が固まった。
「そうですね。確かに皆の言うとおりです。では、馬車だけ売って、残った馬2頭は俺達がそのまま使用しましょう」
俺の言葉に4人は頷いた。
だがこの時、俺は奇妙な気分になったのである。そしてこう思ったのだった。
あれ……俺って、いつの間にかリーダーみたいになってる、と。
だが、あまり頼られても困るので、俺的には嬉しくない事であった。
大体俺はリーダーシップをとるような人間ではない。寧ろそういった部分は苦手なのだ。
(このままいくと、リーダーみたいになりそうだから、少し自重をした方がいいのかも……ン?)
と、そこで、何かを思い出したのか、シェーラさんがポンと手を打ったのである。
「あ! ……そういえばコータローさん。言い忘れてたんだけど、奴等の乗ってきた馬車の中に、奇妙な杖が1つ転がっていたのよ」
「奇妙な杖?」
「そう、アレなんだけど」
シェーラさんはそう言って、部屋の片隅を指さした。
するとそこには、茶色い棒のような物が立てかけられていたのだ。
「あの杖だけが、奴等の馬車の中にあったのですか?」
「ええ、そうよ。ちょっと気になったから、一応、部屋に持ってきたの」
「……そうですか。ではちょっと拝見させてもらいますね」
俺は杖の所へと移動する。
そして杖を手に取り、マジマジと眺めたのであった。
杖の両端には、美しい2つの石が付いていた。
この2つの石は、アメジストのような美しい紫色の水晶球とトルコ石のような水色の丸い石で、大きさは両方ともテニスボール程度であった。
それらからは微妙に魔力の
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