Lv19 変化の杖
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もしかすると俺に気があるのかも……なんて事を考えてしまうくらいである。
「はは……そ、そうっすか。そこまで言われると、いやぁ〜、なんか照れるなぁ……」
俺は少し照れたので、金田一耕助ばりに側頭部をポリポリかいた。
これは仕方がない事であった。
なぜなら、異性にここまで頼られた事なんて、俺は今までなかったからだ。
(それにしても、出逢ったころと今と比べると、凄い変わりようだな……もしかすると、アーシャさんてツンデレキャラなのかも……って、あ!?)
俺はそこで、ある事を思い出した。
「そういえばアーシャさん、マルディラントに戻らないといけないんじゃないですか? サブリナ様達も、そろそろ起床する頃だと思いますよ」
それを聞き、アーシャさんもハッとした表情になる。
「そ、そうでした。ではコータローさん、またあの丘まで一緒に来てください」
「わかりました」
というわけで、俺はまた、あの丘へと向かう事になったのである。
[V]
墓地の片隅でぼんやりとしていると、マルディラントからアーシャさんが戻ってきた。
「お帰り、アーシャさん。どうでした? サブリナ様やティレスさんは何か言ってませんでしたか?」
「何もありませんわ。お母様も、何も気づいてない風でしたから」
「それはよかったですね。では宿に戻りましょう」
「ええ」――
それから程なくして、宿の前へと帰って来た俺達は、そのまま玄関へと歩を進める。
するとそこで、タイミングよく隣の道具屋の扉が開き、ロランさんが姿を現したのであった。
突然でビックリしたが、俺達はとりあえず、ロランさんに朝の挨拶をした。
「おはようございます、ロランさん」
「おはようございます」
ロランさんはニコヤカに微笑んだ。
「おお、これはコータローさんにアーシャさん、おはようございます。皆さん、さぞやお疲れだったと思いますが、昨夜はよく眠れましたかな」
「ええ、ロランさんが良い宿を紹介してくれたお蔭で、ぐっすり眠ることが出来ましたよ。ありがとうございました」
俺は頭を下げた。
「それはよかったです。ところで、コータローさん達は、朝の散歩の帰りですか?」
「まぁそんなところです。ロランさんは何を?」
「私は今から開店前の準備を始めるところです。町の人が動き始める前には、店を開いておきたいものですから」
「ああ、なるほど。開店の準備ですか……あ!」
俺はそこで、昨晩の打ち合わせで決まった、ある事を思い出したのだ。
一応、昨夜の打ち合わせでは、出発する前に、ロランさんの店に寄って、それを実行にするという事になっていたが、俺はこれ幸いと思い、今、確認してみる事にしたのである。
「ロランさん、ちょっとお訊きしたい事があるんです。今、お時間の方は
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