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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv19 変化の杖
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て生命の声……この世の中にある全ての声に耳を傾けてみよ。さすれば道が開ける筈じゃ。まぁそう簡単にはいかぬであろうが、それを頭の中に入れて修行に励むがよい』
 はっきり言って、イマイチ要領を得ない助言であった。
 世の中の全ての声と言われても、ピンとこないのである。修行を始めてから結構経つが、そこだけは未だによく分からないのだ。
 しかし、ヴァロムさんはいい加減な事を言う人ではない。必ず、何らかの意図がある筈なのである。
 まぁそれはさておき、現身の門を広げた俺は、その中で禅を組む。 
 そして俺は、宛てのない魔生門を探す旅へと、今日もまた出掛けることにしたのである。
(さて、それじゃあ今日も始めるとするかな……)――



   [U]


 俺が修行から戻ると、不安そうな表情で、室内をウロウロと動き回るアーシャさんの姿があった。
 何やら様子が変だったので、俺は訊いてみることにした。
「おはようございます、アーシャさん。何かあったのですか?」
「コ、コータローさん」
 するとアーシャさんは、俺を見るなり、ホッと安堵の息を吐いた。が、次の瞬間、アーシャさんは頬を膨らませ、俺を睨みつけてきたのである。
 明らかにアーシャさんは怒っている感じであった。
 と、そこで、アーシャさんは腕を組んで仁王立ちになる。
「どこに言ってたんですの? 私に何も言わないで、どこにも行かないで下さい!」
 どうやら無断外出した事を怒っているようだ。
 今はあまり刺激するような事は言わない方が良さそうである。
 俺は後頭部をポリポリかきながら謝罪した。
「すいません……アーシャさんが、あんまり幸せそうに寝てたものですから、起こすのも悪いと思いまして……」
「そ、そうですか……まぁ良いでしょう。今回は【特別に】許して差し上げますわ。……で、どこに行ってらしたんですの?」
「ああ、それなんですが……実はヴァロムさんから、毎日やるように言われていた修行があったので、少しの間、外へ出かけてたのですよ」
 アーシャさんはそれを聞き、罰の悪い表情になる。
「え、修行? そ、そうでしたの。それは知りませんでしたわ……。ところで何の修行をしていたんですの? もしかして……魔物と戦っていたとか」
「違いますよ。魔法の基礎訓練みたいなもんです。ヴァロムさんは基礎が大事だと繰り返し言ってましたんで」
 本当は魔生門を開く為の修行だが、これについてはヴァロムさんから口止めされているので、例えアーシャさんといえども今は言えないのだ。
 ちなみにこの修行の様子は、アーシャさんも何回か目にしている。が、ただ瞑想しているだけとしか思っていないだろう。
 ヴァロムさんもアーシャさんには、俺専用の魔力訓練法としか説明してなかったし。
 つまり、まぁそうい
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