Lv19 変化の杖
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「魔物や魔法が書かれた書物……。それには、あの魔物達の事が全て描かれていたのですか?」
「うん、一応ね。まぁ俺も曖昧な部分が多少あったけど、ある程度覚えていたから、あの時ああ言ったんだよ。非常事態だったしね」
「ではベホマという魔法も、それに書かれていたんですの?」と、アーシャさん。
「そうですよ。結構色んな魔法が書いてあったけど、回復魔法については俺も興味があったから、その記述は良く覚えていたんです」
「そうだったのですか……そんな書物があったなんて初めて知りました」
サナちゃんはそう言って、思案顔になった。
だがアーシャさんは半信半疑なのか、俺に流し目を送ってきたのである。
「それは本当ですの? なら聞きますけど、メガンテという呪文の事は、その書物とやらに書いてありましたか?」
うわぁ、これまた懐かしい名前である。
ゲームで使う事は殆どなかったが、その特性から非常に有名な魔法であった。
とはいえ、あまりあっさり言ってしまうと、後が面倒臭そうな気がした為、俺は少し悩む仕草をしながら答えておいた。
「メガンテ……ですか? ええっと確か……呪文を唱えた者の命と引き換えに、敵全体を消し去る魔法……だったかな。なんかそんな事が書いてありましたね」
するとその直後、アーシャさんとサナちゃんは、目を大きく見開きながら、互いに顔を見合わせたのである。
「そんなに驚くことなの?」
2人は頷く。
サナちゃんは真剣な表情で話し始めた。
「……これはまだ世間では知られていない事なのですが、ラミナス宮廷魔導師である賢者リバス様は古代魔法メガンテの研究をしておりました。しかし、資料が乏しく、その作業はかなり困難を極めたそうです。ですが、幾つかある過去の文献から、彼は1つの仮説を立てたのです。それは多大なる犠牲を払った上で、魔物を葬り去るという禁断の呪文ではないのかという説です。なので……今、コータローさんが言った内容はそれと酷似しています。だから、私は驚いたのです」
アーシャさんもサナちゃんに同調する。
「私も賢者リバス様が立てた『犠牲を払って魔を滅ぼす禁断の魔法』説は聞いた事がありますわ。イシュマリアの古代魔法研究者達の間では、あまり受けが良くなかったそうですが、オルドラン様も賢者リバス様の説を支持されてました。なので、私もそれについてはよく覚えています」
「へぇ、そうだったのですか。……でも、物騒な魔法の研究をしていたんですね。その賢者リバス様という方は」
するとサナちゃんは肩を落とし、悲しそうに目尻を下げた。
「……それには理由があるのです。世間では、突然、強大な魔物に襲いかかられて滅んだ事になっているラミナスですが、実は当時のラミナスにも、一応、嫌な予兆があったのです。それは日が経つごとに急激に増える魔物の
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