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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv18 旅の決断
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く覚醒しているのである。
(ああ、今夜……俺は寝れるのだろうか……なんか明日は、睡眠不足で目の下にクマが出来ていそうな気がする……)
 とまぁそんなわけで、これが今一番の懸念事項なのである。

 俺とアーシャさんがベッドインして10分くらい経過した頃、小刻みな振動がベッドに伝わってきた。
 俺はそこで震源地に目を向ける。勿論、震源はアーシャさんであった。
 アーシャさんのこの震え方は、恐ろしさや不安から来るもののように俺は感じた。
 もしかすると、俺と寝ている今の状況が、ここにきて怖くなってきたのかもしれない。
「アーシャさん……どうしました? 俺と寝るのが不安でしたら、無理しなくていいんですよ。俺は床で寝ますから」
 すると、アーシャさんの怯えたような声が聞こえてきたのである。
「ち、違うんです……あのザルマとかいう魔物の恐ろしい姿が、頭に焼き付いて離れないんです。あの時……コータローさんが助けてくれなかったら……私は今頃……そう思うと……」
 俺はようやく理解した。
(だから俺の所に来たのか……)
 考えてみれば、アーシャさんは魔物との戦闘なんて殆どやった事がない。
 おまけに弟子入りする前は、大貴族の箱入り娘として育ってきたのである。
 そんなアーシャさんが、あんな恐ろしい化け物と出くわしたのだから、こうなるのも無理はないのだ。
 戦闘経験のある俺だって恐ろしかったんだから……。
 多分、今までそんな素振りを見せなかったのは、ラミリアンの3人がいる手前もあって、無理して気丈に振る舞ってきただけなのだろう。
 俺はそこで、アーシャさんの方へと身体を向けた。
 すると小さくなって震えるアーシャさんの華奢な背中が、俺の目に飛び込んできたのである。
 それはか弱い女性が見せる、細く小さな背中であった。
 俺はそんなアーシャさんを見ている内に、この子を守ってあげなければいけないという感情が芽生えてきた。
 そして、その直後、俺は自分でも予想外の行動にでたのである。
 なんと俺は、後ろから優しく包み込むように、アーシャさんを抱きしめていたのだ。
 抱きしめた瞬間、アーシャさんの震えが直に伝わってきた。
 でもさすがにびっくりしたのか、そこでアーシャさんは俺に振り向いた。
「コ、コータローさん……何を」
「アーシャさん……俺がいるから大丈夫……とは言えないけど、俺なりに精一杯、貴方を守ります。だから、怖がらないでください。そして今はもう休みましょう。何かあったら自分を犠牲にしてでも、俺が貴方を守りますから」
「コータローさん……うん」
 アーシャさんはそう言うと、抱きしめる俺の腕に、そっと手を添えた。
 震えも次第に治まってゆく。
 そして、このまま俺達は、深い眠りへと落ちていったのである。
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