Lv17 フィンドの町
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する事になったのである。
話は変わるが、これは、その道中での話だ。
馬車が動きはじめたところで、サナちゃんが俺に訊いてきた。
「あの、コータローさん……馬に乗れないというのは本当なのですか?」
またその話か……。
多分、この世界では、馬に乗れない事は恥ずかしい事なのかもしれない。
現代日本で言うなら、自転車に乗れない大人と同じ扱いなのかも……。
またそう考えると、途端に恥ずかしくなってきたのであった。
俺は後頭部をポリポリかきながら答えた。
「……うん、そうなんだよ。ここでは恥ずかしい事なのかも知れないけど」
するとサナちゃんは、屈託のない笑みを浮かべたのである。
「じゃあ、私と同じですね。私も馬に乗れないんです。だから、そんなに気にしなくてもいいと思いますよ」
「そ、そう」
俺はそこで少し気を持ち直した。
だが間髪入れず、アーシャさんが穴に突き落としてくれたのだ。
「サナさんはまだ子供ですから仕方ないですが、貴方のようないい大人が馬に乗れないのは問題ですわよ。今度、私が教えて差し上げますわ。同行する私まで恥ずかしいですから」
「はい……お願いします」
まぁそんなわけで、俺は新たなトリビアを得る事ができたのであった。
[V]
森を抜けてから1時間半は経過しただろうか……。
地平線の彼方へ目を向けると、遠くに見える山の影に、太陽が隠れようとしているところであった。
またそれに伴い、周囲は少し肌寒い気温へと変化し始めていた。
そんな薄暗い寒空の元、俺達は今日の目的地であるフィンドに、今ようやく到着したところであった。
日のある時間帯に町へ到着できたので、まずは一安心といったところだ。
街に入ったところで、俺はレイスさんに言った。
「レイスさん、その辺の広場で、一旦止まってもらえますか」
「了解した」
程なくして、馬車は広場に停まる。それに連動して、後続の馬車や馬も停まった。
俺はそこで馬車を降り、後ろにいるロランさんのところへと向かった。
理由は勿論、宿の場所を訊く為だ。
「ロランさん、宿屋がどこにあるかわかりますかね?」
「ああ、それでしたら、私の店の隣にある宿屋になさったらどうですか? この町ではそれなりに大きな宿なので、部屋も空いてると思いますよ。それに馬の世話をしてくれる厩舎もありますし」
どうやら知っているどころか、ここの住人のようだ。
少し驚いたが、俺はそこで他の皆に視線を向けた。
すると4人共、コクリと頷いてくれたのである。
言わなくても察してくれたのだろう。アイコンタクトってやつだ。
「では、そこにしますんで案内してもらえますか」
「じゃあ、ついて来てください」
そんなわけで、ここからはロランさん
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