Lv17 フィンドの町
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馬車は奴等の物で間違いありませんッ」
自分の馬車が見つかったのが余程嬉しかったのか、ロランさんは顔を綻ばせて力強く頷いた。
そして、沢山の荷物を積み込んだ荷馬車に近寄り、積荷の確認を始めたのである。
一通り確認したところで、ロランさんは安堵の息を吐いた。
「荷物も無事でした。……もう諦めるしかないと思ってたので、本当に良かったです」
「それはよかったですね。ン?」
と、そこで、他の皆もこちらへとやってきた。
すると皆は不思議そうに、これらの馬車を眺めたのである。
姿が見えなかったのだから、こうなるのも無理はないだろう。
ロランさんの娘さんが俺に訊いてくる。
「あ、あの……これは、どういう事なのでしょうか?」
「見ての通り、消したのではなく、見えなくしていただけのようですね。つまり、ずっとここにあったという事です」
「では、あの時の魔物達は、見えない様にしただけなのですね」
「そうですよ。まぁそれはともかく……さしあたっての問題は、これをどうするかですね」
奴等が使っていた馬と馬車は中々良い物であった。
と、そこで、シェーラさんの声が聞こえてきた。
「コータローさん……貴方のお蔭でザルマ達を倒せたんだから、この馬車と馬は貴方が戦利品としてもらっといたらどう? 売れば結構なお金になると思うわよ。それに、旅にはお金が必要だしね」
まぁ確かにそれも一理ある。
だが問題もあるのだ。
「皆が良いのなら、それでも構わないんですが……問題はどうやって持って行くかなんですよね。俺は馬なんて乗った事ないから、操るなんて無理ですし……」
【え?】
すると、皆は一様に驚いた表情を浮かべていた。
(やだ……何、この反応……ちょっと空気が寒くなってる……)
アーシャさんが眉根を寄せて訊いてくる。
「馬に乗った事がないって……本当ですの? どこか具合が悪いのならともかく、この地に住む者で、そんな方がいるなんて思いませんでしたわ」
「コータローさんて優秀な魔法使いなのに、意外な一面があったのね」と、シェーラさん。
(ウッ……もしかして失言だったか……とはいえ、今更知ったかぶりすると後々面倒だ。それに今はこんな事をしてる場合じゃない)
つーわけで、適当に流すことにした。
「そ、そうなんですよ。だから、この馬と馬車に乗ってくれる人はいませんかね? 早くこの森を抜けないといけませんし」
まずシェーラさんが手を上げる。
「じゃあ、私が馬車を動かすわ」
「それでは、私と娘がこの2頭の馬に乗りますわ」とロランさんの奥さん。
「じゃあ、私は自分の荷馬車を」――
――というわけで、俺とアーシャさんとサナちゃんがレイスさんの馬車に乗って、他の者達がここに隠されていた馬と馬車に乗るという形で、俺達は移動を再開
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