Lv17 フィンドの町
[3/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
険者達は正体を現しまして……」
経緯は大体わかったが、気になる点が幾つかあったので、俺は質問を続けた。
「マルディラントを出発したのはイシュラナの鐘が鳴る前ですか?」
「はい、仰る通りです。出発したのは朝日が昇り始めた頃なので、イシュラナの鐘が鳴るだいぶ前です」
俺達が出発する頃には、かなり先を進んでいたようだ。……辻褄は合う。
「それと今、護衛を依頼したと仰いましたが、この森に入るまで奴等に不審な点はなかったのですね?」
「はい、その時点では普通の冒険者でした。魔物などとは、とてもではありませんが思えませんでした」
「そうですか……。では魔物達についてお訊きします。魔物達とはルイーダの酒場で会ったと言ってましたが、そこでは他の客たちと同様、普通に振る舞っていたのですか?」
だが今の質問を聞いたロランさんは、空を見上げて何かを考え始めたのである。
ロランさんは程なくして口を開いた。
「いえ、酒場にいたのは、ザルマというあのラミリアンの男だけでした。他の者達とは街の外で落ち合ったのです。まぁこれもザルマという男の受け売りですから、どこまで信用できるかわかりませんが……」
「酒場で会ったのはザルマだけで、他は街の外でですか……なるほど。では次に、移動手段についてお訊きします。ここに来るまでの移動方法は何でしたか?」
「馬車と馬です。冒険者達が馬車1台と馬2頭で、私達が荷馬車1台という組み合わせです」
「その馬車と馬は今、どこにあるのですか?」
ロランさんはそこで奥さんに視線を向けた。
すると奥さんは、溜息を吐き、項垂れたのである。
「それが実は……魔物達が奇妙な魔法を使って、馬車と馬を一瞬で消してしまったのです」
「一瞬で消した?」
そんな魔法、ドラクエにあっただろうか……。
レムオルとかいう、姿を見えなくする魔法なら俺も知ってるが……。
まぁそれはともかく、話を聞こう。
「で、消したという場所は、どの辺りなんですか?」
「フィンドに向かって森の街道をまっすぐ進みますと、途中で広場になったところがあるのですが、魔物達はそこで馬と馬車を消したのです」
話を聞く限りだと、フィンドに向かう途中のようだ。
少し時間は取られるが、そこを通る時に、一度確認はしておいた方が良いかもしれない。
「では最後にもう1つお訊きします。マルディラントから同行してきたという魔物達の中で、途中、別行動をする魔物はいましたか?」
ロランさんは頭を振る。
「いいえ、別行動をした者はおりません。ずっと11名でした」
「そうですか。訊きたい事は以上です。ありがとうございました」
俺はとりあえず、今得た情報を暫し頭の中で整理する事にした。
と、そこで、背後から俺を呼ぶ声が聞こえてきたのである。
【あ、あの…
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ