Lv17 フィンドの町
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ーさんは、表面上は明るく振る舞っているが、確実に俺達を不審に思っているだろう……。彼を少し見てきたが、かなり頭のキレる人だというのは分かったからな」
シェーラは言う。
「……でもレイス、どうするの? こんな所で仲間を解消されたら、この先、私達だけでイメリア様を守りきれるかどうか分からないわよ。それにザルマも死に際に言ってたわ。新たな追っ手がやって来ると」
「それはわかっている。だが、それを決めるのはコータローさん達だ。……俺達ではない」
レイスはそう言うと、目を閉じて大きく息を吐いた。
3人は暫し沈黙する。
程なくして、サナが口を開いた。
「でも……仮に仲間を解消されたとして、コータローさん程の腕を持つ魔法の使い手は、そう簡単には見つからないでしょうね……。私が見る限り、コータローさんは、旧ラミナスの王宮に仕えていた最上級の魔導師達に匹敵する使い手です。それだけではありません。あの方はラミナスの誰もが知り得なかった魔物達への知識もあります。その上、失われた古代魔法であるベホマが、どんな魔法か知っているような口振りでした。もしかすると、古代魔法に対する知識も持っているのかもしれません。ですから、あの方以上の魔法の使い手を見つけるのは至難の業だと思うのです。そう考えますと、ある意味、あのような方と私達が巡り合えたのは奇跡に近いのかもしれません」
レイスは頷く。
「イメリア様、私もそう思います。彼がいなければ、間違いなくあの時、我等はザルマの手にかかって死んでいたでしょう。仰る通り、彼らと巡り合えたのは奇跡に近いです」
「そうよね……あの光の剣は凄かったわ……あのザルマを両断したのだから。でもどうするのよ、レイス。今の話の流れじゃ、なんとしても仲間でいてもらうしかないじゃない」
シェーラの言葉にレイスは沈黙した。それはサナも同様であった。
と、その時である。
――コン、コン――
この部屋の扉がノックされたのだ。
レイスは扉に向かい、問いかけた。
「誰であろうか?」
「コータローです。少しの間、アーシャさんと外を見てきますんで、話は帰ってきたら訊かせてもらいます。すいませんが、そういうことなんで、よろしくお願いしますね」
「了解した。ではまた後ほど」
「ええ、後ほど」
レイスはそう答えた直後、真剣な表情になり、2人に言った。
「今からコータローさんを説得する方法を考えるしかない。イメリア様も何かお考えがありましたら仰って下さい。皆で考えましょう」
「それもそうね。コータローさんは話の分かる人な気がするし」
「わかりました。私も考えてみます」――
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