Lv17 フィンドの町
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だ、気にしてたのか。でも、初めて会った時、我は心が広いからそんな事は気にしないとか言ってたじゃん」
「確かに心は広いが、聞いてるとムカムカしてしょうがないのだよ。はっはっはっ」
笑い話にしてるが、内心、腹が立ってるんだろう。回りくどいオッサンである。
恐らく、人間ならば目が笑っていない笑い方に違いない。
まぁ心が狭いのは分かっていたので、あまり驚くことでもないが……。
「じゃあ、なんて呼ぶといいんだ?」
「そ、そうだな……できればアーシャさんのようにラー様。もしくは、ヴァロム殿のようにラーさんかな。なんだったら光の精霊様でも構わないぞ。寧ろ、そっちの方が――」
まだ話してる途中だったが、俺は即答した。
「じゃあ、ラーさんで」
「早ッ! もう少し悩めよ!」
まだなんか文句を言ってるが、俺にとってはそれほど大事な話でもなかったので、早めに終わらせることにしたのである。
と、その時であった。
――コン、コン――
部屋の扉がノックされたのである。
「誰ですか?」
「私です。アーシャですわ」
「入ってください。鍵は掛かってませんから」
「では失礼します」
扉が開き、アーシャさんが中へと入ってきた。
そして扉を閉めると、室内をグルリと見回したのである。
「……私と同じような部屋ですわね。平民の方々が泊まる宿泊施設は初めてなので、勉強になりますわ」
「まぁ俺も初めて見たいなもんですけどね。それはそうと、どうしたんですか?」
するとアーシャさんは頬を膨らませた。
「んもう、一昨日の昼に言ったではありませんか。忘れたのですか?」
「あ……すいません、忘れてました。そういえば、朝と晩はマルディラント城に戻ってサブリナ様に顔を見せておくんでしたね」
俺はアーシャさんに言われて思い出した。
2日前の打ち合わせで、そんな手筈をとることになっていたのを……。
これはアーシャさんの考えた悪知恵で、母君であるサブリナ様に朝と晩だけ顔を見せて、俺の所に修行に来ていると思い込ませているのである。
なので、朝と晩はマルディラント城に戻ってアリバイ作りをしないといけないのだ。
まったくもって、とんでもないおてんば娘である。
「じゃあ、行きますか。でもその前に、レイスさん達には少しの間だけ出掛けると言っておきますね。留守中に来られても困りますし」
「ええ、そうですわね」
俺はそこで立ち上がる。
そしてアーシャさんと共に、この部屋を後にしたのであった。
[X]
一方その頃……。
レイス達3人は部屋に入るや否や、暗い表情になっていた。
3人は川の字に並んだベッドに腰掛け、大きく溜め息を吐きながら肩を落とす。
そんな中、まずレイスが口を開いた。
「コータロ
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