Lv16 黒き魔獣
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ほしい。急いで!」
2人は頷くと同時に呪文を唱えた。
【スカラ】
レイスさんとシェーラさんに青く光る霧状のものが纏わりつく。
これで2人の防御力はかなり上がったはずだ。
俺はそれを確認すると、アームライオンを指差し、レイスさん達に指示を出した。
「レイスさんとシェーラさんは今の内に、残った魔物2体の止めを刺してください。そして、攻撃を終えたら、俺達の前に戻って守りを固めてください。急いで!」
「了解した」
「わかったわ」
俺の指示を受けた2人は、ヨロヨロと弱っているアームライオン目掛けて駆けてゆき、容赦なく斬りかかった。
その刹那、アームライオンの断末魔がこの場に響き渡る。
【ヴァギャァァァ!】
まるで積み木が崩れるかのように、アームライオンはバタリと地面に横たわった。
レイスさんとシェーラさんはアームライオンの死を確認すると、指示通りに俺達3人の前へと戻ってきた。
そして剣と盾を構えてザルマと対峙し、奴の出方を窺ったのである。
今の攻撃は流石にザルマも頭に来たのか、ワナワナと体を震わせていた。
【やってくれますね、虫けら共……。こっちが大人しくしていればいい気になりやがって! だが、調子に乗るのもそこまでだ!】
するとその直後、ザルマは大きく息を吸い込み、なんと、口から炎を吐きだしたのである。
それはまるでベギラマを思わせる火炎放射であった。
その炎が俺達に襲いかかる。
だがその瞬間、レイスさんとシェーラさんが鉄の盾を前に掲げ、俺達の前に立ち塞がってくれたのである。
そのお蔭もあって、俺達3人にまでは炎が届かなかった。
しかし、レイスさん達の苦悶の声が聞こえてくる。
「グッ!」
「こ、これはキツイわね」
かなり強烈なブレス攻撃なので、流石に鉄の盾では防ぎきれないに違いない。
それから程なくして、ザルマのブレス攻撃は終了する。
俺はそこで一瞬、肩の力が抜けた。
(もしかすると……今のがゲームでよくやられた火炎の息とかいう攻撃か……リアルでやられると、たまったもんじゃないぞ……ン?)
だがホッとしたのも束の間であった。
ザルマが次の行動を開始したからである。
【ベホイミ】
奴の身体が白く光り輝くと共に、イオラの焦げ跡がみるみる消えていった。
そして傷が回復したところで、ザルマは俺達に言い放ったのだ。
【ククククッ、愚か者共め、なぶり殺しにしてあげましょう。そちらの魔法使いは中々の使い手のようですが、貴様らの装備で私を倒す事など不可能ですからね。覚悟しなさい】
(チッ……ベホイミまで使えるのか。なんて厄介な敵だ……)
だが怯んでる暇はない。
「大丈夫ですか、2人共」
「ああ、盾で身を守っていたので大丈夫だ。だが……あの炎は強力だ。連続
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