Lv16 黒き魔獣
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は黒い霧に覆われたままだったが、中から不気味な赤い光を発しているところであった。
嫌な予感がした俺は、急いでサナちゃんに指示をした。
「それからサナちゃんは、ピオリムで俺達の素早さを上げてほしい」
「はい、わかりました」
「それとアーシャさんは、俺がイオラを使うのと同時にヒャダルコをあの赤いベホマスライム2体に放ってください」
「ヒャダルコですわね。わかりましたわ」
俺は次に、怯えるロランさん一家に忠告をしておいた。
「ロランさん……貴方には言いたい事もありますが、後にしましょう。それはともかく、今から戦闘を始めますので、俺達の後に下がってもらえますか? でないと巻き込まれますよ」
「わ、わ、分かった。行くぞ、お前達」
ロランさんは妻子共々、慌てて後ろの岩壁に移動する。
それから付近にある馬車の裏に身を隠した。
俺はそれを確認したところで、アーシャさんに攻撃開始の合図を送ったのである。
「行きますよ、アーシャさん」
アーシャさんは無言で頷く。
そして、俺とアーシャさんは杖を魔物達に向け、それぞれが同時に呪文を唱えたのだ。
【イオラ】
【ヒャダルコ】
次の瞬間、俺達の杖から2つの魔法が放たれる。
俺の杖からは、サッカーボール大の白く発光する魔力の塊が魔物達のど真ん中に飛んでゆき、アーシャさんの杖からは青く冷たい霧が発生し、そこから生み出された無数の氷の矢がベホマスライムに目掛けて飛んでいった。
俺が放った魔力の塊は、強烈な閃光と共に大きな爆発を起こし、ザルマ以外の魔物達全てを吹き飛ばしてゆく。
【グギャア!】
魔物達の悲鳴が聞こえてくる。
巨体のアームライオンやキラーエイプは、一瞬宙に浮いた後、後方の地面をゴロゴロと勢いよく転がっていった。
人間に近い体型のオークや似たような大きさのベホマスライムは、それらよりも更に後方へと吹っ飛んでゆく。
そして、ベホマスライムには更に、アーシャさんの放った氷の矢が、容赦なく襲い掛かったのである。
ベホマスライムの赤く柔らかい体に、氷の矢が何本も突き刺さる。
だがこれで終わりではない。
レイスさんとシェーラさんが既に間合いを詰めており、間髪入れず、ベホマスライムにとどめの一撃を繰り出したのだ。
2人はまるで豆腐でも斬るかのように、弱りきったベホマスライムの身体をスパッと両断した。
そして、断末魔の悲鳴を上げる間もなく、ベホマスライムはこの場で息絶えたのである。
丁度そこでサナちゃんの魔法詠唱が聞こえてきた。
【ピオリム】
その直後、緑色に発光する霧状のモノが俺達を覆い始め、身体がフワリと軽くなった。素早さが上がった証拠である。
とりあえず、ここまでは指示通りだ。が、ここからは手を緩めることなく、一気畳み掛けな
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