Lv16 黒き魔獣
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しかし、目の前の魔物がゲームと同じという確証はないので、これは俺も、ある意味賭けなのである。
だが、やらなければ非常に不味い事態になるのは明白だ。
おまけに俺が持つドラクエ知識を使うので、4人はそこに突っ込んでくる可能性も大いにある。が、今は生きるか死ぬかの選択に近い状況なので、この際、止むを得んだろう。言い訳は後で考えるしかない。今はこの状況を打破する事が先なのだ。
「どうやら、知っているのは俺だけのようですね。では、皆にお願いがあります。今から俺の指示通りに動いて頂きたいのですが、いいですか?」
【え!?】
すると驚いたのか、4人は俺に視線を向けた。
「コータローさん、こいつ等を知ってるの?」と、シェーラさん。
「はい、知ってますよ。でも、俺に振り向かないでください。皆の視線は魔物へ向けたままでお願いします。それと、ここからは対応を間違えると、大変な目に遭うと覚悟してください。全滅する可能性も十分ありますので」
「とは言っても……」
「シェーラよ……私の見る限り、コータローさんは信用できる方だ。だから、この場は彼に従おう」
「レイスがそこまで言うのなら……」
と言って、シェーラさんはそこでサナちゃんに視線を向けた。
サナちゃんはそれに頷く。
「シェーラ、ここはコータローさんに従いましょう。どうぞ続けてください、コータローさん」
と、そこで、アーシャさんがジロリと流し目を送りながら、口を開いた。
「……訊きたい事が幾つかありますが、この戦闘が終わった後にしますわ。どうぞ、続けてください」
やはり、そうきたか……とりあえず、後で言い訳を考えておこう。
それはともかく、俺は話を続けた。
「では時間がないので簡単に説明します。少々卑怯ではありますが、今から不意打ちをします。魔物達を叩くには、力に酔った馬鹿な指揮官の指示を待っている今が狙い目だからです。それで、ですが……俺とアーシャさんがこれから攻撃魔法を使いますので、その後、レイスさんとシェーラさんは、右端にいる赤い魔物2体を剣で攻撃して、止めを刺してください」
「え、あんな弱そうなのを先に攻撃するの?」
シェーラさんはベホマスライムに視線を向け、微妙な反応を示した。
仕方ない、簡単に説明しておこう。
「あの魔物はベホマスライムといって、どんなに深い傷も完全に回復させるベホマという呪文を使います。ちなみに言っておきますが、ベホマはベホイミよりも更に上の高位魔法ですから強力ですよ。だから、あれを真っ先に倒さないと後々面倒な事になるんです。というわけなので、お願いしますね」
「わ、わかったわ」
「先程のロランさんの事もある。君の言うとおりにしよう」とレイスさん。
「ではお願いします」
俺はそこでチラッとザルマの様子を確認した。
ザルマ
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