Lv16 黒き魔獣
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いてくれるわ!】
ザルマは油断していた。
魔法を封じた事で、俺を完全に無力化できたと思っていたのだろう。
だがしかし、俺には魔法を封じられても攻撃できる手段があるのだ。
そして俺はそれを実行するべく、腰にある魔光の剣を手に取り、青白く輝く光の刃を出現させたのであった。
俺は魔光の剣を中段に構える。
すると魔光の剣を見たザルマは、不敵な笑みを浮かべ、声高に言ったのである。
【ククククッ、何をするのかと思えば。下らない……そんな下らない武器で私が倒せるかァァァ。死ねェェェ!】
ザルマはその直後、俺に向かって2本の右手を振るってきた。
鋭利な爪が迫ってくるのが俺の目に映りこむ。
だが俺は冷静であった。そして上手くいく自信もあったのだ。
なぜなら、レイスさん達が斬りつけた傷の深さを見て、この魔光の剣ならばできると思ったからである。
俺は自分を信じた。今までこの魔光の剣を使って修行を積み重ねてきた自分を……。
剣を振るう瞬間、俺は魔光の剣に籠める魔力を最大出力まで高めた。
出力が上がるに従い、魔光の剣は眩いほどの輝きを放つ。
そして俺は迫り来る2本の腕に向かい、最大出力の光の刃を真っ直ぐ縦に振り下ろしたのだ。
その刹那、襲い掛かる2本の腕が綺麗に切断される。
俺はそこから更に踏み込むと、今度は胴を左から右へと横に薙いだ。
【ぐふッ……】
ザルマの腹が裂け、黒い血が噴き出す。
これで終わりではない。
俺はここから三段目の攻撃を繰り出すべく、柄を握る手を逆手に持ち変え、そこから燕が翻るような軌道で逆袈裟に斬りあげたのである。
そう、燕返しだ!
光の刃はザルマの腰から肩口に向かって一閃する。
次の瞬間……支えるモノが無くなったザルマの胴体は、重力に従って斜めにずり落ち、地面にドサリと横たわったのだ。
しかし、相手は魔物……まだ安心はできない。
その為、俺は地面に転がるザルマの半身に刃の切先を向け、奴の様子を窺ったのであった。
俺が剣を突きつける中、ザルマは吐血しながら弱々しく言葉を発した。
【ゴフッ……まさか……こんな奴を仲間にしていたとは……。く……あと一歩というところで……ゴフッ……クククッ……だが、私を倒しても終わりではありませんよ……イメリア様には次の追っ手が差し向けられるでしょうからね……ラトゥーナの……末裔には死あるのみです……ゴフッ】
この言葉を最後にザルマは息絶えた。
シンとした静寂が辺りに漂い始める。
俺はそこで身体の力を抜き、大きく息を吐くと魔光の剣を仕舞った。
そして俺は、今の攻撃について暫し考えたのである。
最高出力での魔光の剣は、一時的にだが、恐ろしいほどの切れ味を得ることが出来る。
しかしその代償に、とんで
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