Lv15 旅立ち
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けでいいと思います。なので、何故隠れるような真似をしていたのかが気になるんです」
俺達の間に暫し沈黙が訪れる。
程なくしてレイスさんが訊いてくる。
「……君はどう思うんだ?」
「それはわかりません。ですが……人は何かしら後ろめたいことをする時、吐かなくていい嘘を吐くんですよ。これは俺の経験上の話ですがね」
「……確かに、そういう事もあるのかもしれないが……しかし……」
レイスさんは、それでも半信半疑といったところであった。
決定的な物がないので、こういう反応になるのも仕方ないのかもしれない。
しかし、俺はやはり引っ掛かるのだ。
またそれと共に、漠然とだが、少し嫌な予感もし始めてきたのであった。
[W]
ロランさんを乗せて移動を再開してから1時間以上は経過しただろうか。
俺達は今、広葉樹によって作られた、森の中にある並木道を進んでいるところであった。
木々の枝葉が道の上を覆っている為、やや薄暗い様相をした道であるが、少々の木漏れ日が射すので、進むのには何ら影響がない。
しかし、不気味なほど静かな森であった。
馬車の車輪が回る音や馬の蹄の音が、物凄く大きな音に感じられるくらいに……。
その為、森に潜む魔物達に気付かれるのではないかと、俺達は不安に駆られてしまうのである。
俺達は今まで以上に警戒しながら、慎重に森の中を進んで行く。
すると、暫く進んだ所で、ロランさんが恐る恐る口を開いたのであった。
「あの……馬が大分弱ってきているような気がするので、そろそろ馬の休憩をした方が良いんじゃないでしょうか?」
俺はその言葉を聞き、前方の馬に視線を向ける。
確かに、動きが鈍くなってきているようであった。
よく考えると、森の中に入ってからは魔物を警戒するあまり、馬の休憩をしていないのだ。
なので、もうそろそろ休憩を入れた方が良いのかもしれないが、俺は馬に関しては素人なので、レイスさんに確認したのである。
「レイスさん、ロランさんはこう言ってますけど、馬の調子はどんなもんでしょう。そろそろ休憩が必要ですかね?」
「確かに休憩が必要だが……今は森の中だ。むやみに立ち止まるような事は、しない方がいいかもしれない。それになるべくなら、水のある開けた場所で休憩させてやりたい。だから、少し速度を落としてでも、今はこのまま進んだ方がいいだろう」
それを聞き、ロランさんは微笑んだ。
「でしたら、良い所がありますよ。この森をもう暫く進むと、右手に道が伸びている筈です。そこを右折して進んで頂ければ、一時的に森の外に出ます。そこは馬の休憩に最適な、湖のある開けた場所ですので」
レイスさんはロランさんに振り返る。
「本当か、それは? 間違いないのだな?」
「ええ、間違いあり
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