Lv15 旅立ち
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ころ、お化けキノコやキラービーとの戦闘が1度あっただけなので、それほど危険な兆候というのもないようだ。
(この調子だと、向こうに見える森に入るまでは、ゆっくり出来そうだな。ゲームと同じで、日中の平原移動はエンカンウント率低そうだ……ン?)
などと考えていた、その時であった。
【ヒ、ヒィィ!】
前方に群生する背の高い緑の茂みの中から、突然、人が飛び出てきたのである。
そして、俺達に向かって両手を振り上げ、大きな声で叫んだのであった。
【た、助けてくれぇー!】
レイスさんが俺に振り返る。
「コータローさん、前方に助けを求める者がいるが、どうする?」
「仕方ないですね。無視するのもアレなんで、とりあえず、停まって貰えますか」
「了解した」
レイスさんはその人物の前で、馬車を停めてくれた。
助けを求めていたのは、30歳から40歳くらいの小太りな中年の男であった。
ターバンの様な物を頭に巻いて口ひげを蓄えるその顔つきは、一瞬、ドラクエVの商人を思わせるようなビジュアルであった。
それに加え、旅人の服を着て大きな荷物を背負うという姿なので、余計にそんな風に見えてしまうのである。
まぁそれはさておき、とりあえず、何があったのかを訊くとしよう。
「どうかされたのですか? なにやら切羽詰まった感じがしますが」
「ま、魔物に追われている。た、助けてくれ」
男はそういうと茂みの向こうに視線を向けた。
「何、魔物だと……」
レイスさんは馬車から降りると、腰に帯びた鋼の剣を抜いた。
続いてシェーラさんも馬車から降りて鋼の剣を抜く。
そして、2人は互いに剣を構え、茂みの中を警戒し始めたのである。
馬車の中にいる俺も呪文の詠唱をすぐにできるよう、手に持った魔道士の杖に魔力の流れを向かわせた。勿論、アーシャさんやサナちゃんも。
だが、いつまで経っても魔物は一向に現れなかった。
とはいえ、楽観視はできないので、俺達は茂みの中を慎重に確認する事にしたのである。
しかし、幾ら探せども、魔物の影や痕跡すら見つからないのだ。
範囲を広げて、茂みの向こうに広がるやや傾斜した雑草地帯も調べてみたが、結果は同じであった。
とりあえず一通り調べたところで、俺は男に言った。
「魔物はどうやらいないようですね」
「そんな馬鹿な……さっきまで確かに追ってきてたのに……」
男は首を傾げ、茂みとその周囲に目を向けた。
「ところで、幾つかお訊きしたい事があるのですが、最初に襲われた場所がどこかという事と、どんな魔物に襲われたのかをまず教えて貰えないでしょうか?」
「私が襲われた場所は、向こうに見える丘の上の雑木林です。そして襲ってきたのは、熊の様な魔物でした。慌てて逃げてきたので、その程度の事しか分かりませ
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