Lv15 旅立ち
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ません。私も時折、利用する事がございますので」
「コータローさん。この方はこう言っているが、どうする?」
妙な引っ掛かりを感じたが、俺は馬なんぞ飼った事もないので、さっぱりであった。
というわけで、レイスさんの判断に任せることにした。
「馬の事は私にはわかりませんので、レイスさんの判断にお任せしますよ」
「そうか……ならば、一息入れようと思う。無理を回避できるのなら、した方がいいのでな」
それから暫く進んで行くと、ロランさんの言った通り、右側に道が伸びている場所があった。
そして、俺達はそこを右折し、その先にあるであろう休憩場所を目指したのである。
右折してから10分程度進むと、ロランさんが言ってた開けた場所へ、俺達は到着した。
奥は切り立った岩壁なので行き止まりだったが、向かって左側に小さな湖もある為、馬の休憩をするには確かに良い場所であった。
それに日の光を遮る枝葉も頭上にはない為、森の中と比較すると、ここは非常に明るく爽快な場所なのである。
まぁそれはさておき、レイスさんは奥の岩壁付近へ移動すると、そこで馬車を停めた。
「では、ここで暫し休憩をしよう。馬に食料と水を与えたら出発するつもりだ」
その言葉を合図に、俺達は馬車から降り、長旅で疲れた身体を休める事にしたのだ。
「長い間、座っていたので身体が固くなりましたわ」
アーシャさんはそう言うと、両手を大きく広げて背伸びをした。
「これだけ長いと流石にそうなりますよね。俺も少し屈伸運動でもするか」
「私も」とサナちゃん。
と、その時である。
今やってきた方角から、奇妙な笑い声が聞えてきたのであった。
【クククククッ】
俺は声の出所に視線を向けた。
するとそこには、フードで顔を覆った黒いローブを纏う者が1人佇んでいたのである。
レイスさんはそいつに向かい、大きな声を上げた。
「何者だッ!」
黒いローブを纏う者は、そこでフードを捲り、素顔を晒した。
フードの下から出てきたのは、尖った耳をした人相の悪い男の顔であった。
だがそれを見た瞬間、レイスさん達は叫ぶように声を荒げたのである。
「き、貴様は、ザルマ! 何故貴様がここにいる!」
「何でザルマがッ」
「貴方は!」
レイスさん達は憎しみを籠めた目で、この男を睨み付けていた。
これを見る限り、どうやらレイスさん達の知り合いのようだ。しかも、何かしらの深い因縁があるに違いない。
俺はそこで、この男に視線を向ける。
ザルマと呼ばれたこの男は、レイスさん達と同じラミリアンのようだ。人間で言うなら歳は中年といったところだろう。赤く長い髪をしており、身長もレイスさんと同じくらいであった。鋭い目で嫌らしい笑みを浮かべているので、人相も悪く、友好的な雰囲
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