Lv14 旅の仲間
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険者登録証の外観は、米軍の軍人さんとかが首からぶら下げている、ドッグタグと似た物である。
「じゃあ、ちょっと待っててね。さっき上から降りてきた名簿と登録証の照合をするから」
と言うと、バニーさんは早速、登録証の確認を始めた。
すると程なくして、バニーさんの驚く声が聞えてきたのである。
「あら、貴方達……優秀な魔法使いだったのね。今、優秀な魔法の使い手は不足してるから、仲間の募集はしやすいかもしれないわよ」
「そうなんですか。でも、一時的な仲間として募集したいんですけど、それでもいいんですかね?」
バニーさんは首を傾げる。
「一時的な仲間? どういう事かしら?」
「俺達、これから少し遠回りではありますが、王都に向かわなくてはならないんです。ですので、もし冒険者の方で王都に向かわれる方がいるのでしたら、一時的なパーティを組みたいなと思いまして」
「ああ、そういう事ね。でも、王都に向かう予定の冒険者なんていたかしら……う〜ん」
バニーさんはそう言うと、顎に手を当てて考え込んだ。
この仕草を見る限り、そう都合よくはいかなさそうである。
と、その時であった。
「あ!」
何かを思い出したのか、バニーさんはそこでポンと手を打ったのだ。
「そういえば……ヘネスの月に入った頃、王都に行こうとしてた3人組の冒険者達がいたわ。仲間が集まらなかったので、結局、諦めたみたいだったけど」
「本当ですか?」
「ええ、本当よ。しかも、この街にまだいる筈だわ。仲間の1人はこの近くで働いてるし。……ちょっと待っててくれるかしら」
バニーさんはそう言うと、また名簿のような物をパラパラと捲り、何かの確認を始めた。
そして、あるページのところで、捲る手を止めたのである。
「そうそう、このラミリアンの冒険者達だわ。しかも、まだ仲間の募集はしてるみたいよ」
「ラミリアン?」
初めて聞く単語なので、俺は思わず首を傾げた。
すると、アーシャさんが教えてくれた。
「ラミリアンは、ラミナスを治めていた種族の名前ですわ」
「ああ、あの国の……」
どうやら、魔物に滅ぼされた国の方々のようだ。
そういえば、ヴァロムさんも言っていた。
魔物の襲来から逃げてきたラミナスの民が、このイシュマリアにも少しいるという事を。
どんな種族なのか気になるところだが、今は置いておこう。
と、ここで、バニーさんが訊いてきた。
「ねぇ、貴方達が良いなら、このラミリアンのパーティに掛け合ってみるけど。どうする?」
そう言われても、判断材料がまったくないので、まずはそれを指摘する事にした。
「あの、どういう冒険者達なんでしょうか? 大雑把でも構わないんで、冒険者としての情報を少しは教えて貰わないと、俺も判断できませんよ」
「あら、ごめんなさい
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