Lv14 旅の仲間
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ら、日が浅いのでな。ちなみに、そこは遠いのか?」
俺はそこでアーシャさんに視線を向けた。
すると俺の心情を察してくれたのか、アーシャさんが説明してくれた。
「遠いといえば遠いですが、どの道、王都に向かうには北に行かなければなりません。ですので、そう考えますと、通り道とも言えますわ。ただ、王都への最短の道ではないというだけです」
「そうであるか……で、出発の予定はいつなのだ?」
「一応、明日の早朝か、遅くても明後日の朝には出発しようと思っております」
「むぅ、早いな……。という事は、結論は急がねばならんか……」
レイスさんは目を閉じて腕を組み、何かを考え始めた。
暫しの沈黙の後、レイスさんは口を開いた。
「コータローさん……私には他に仲間がいるのだが、今からその者達をここへ連れて来ても良いだろうか? 私だけでは決められないのでな」
「ええ、構いませんよ。それじゃあ、ここで待っていますので連れてきてください」
「すまぬ。では暫しの間、待っていてもらいたい」
レイスさんはそう言うと席を立ち、酒場を後にしたのであった。
[W]
俺達はレイスさん達を待っている間、果実酒と幾つかの料理を注文し、それらを食べながら、他愛ない世間話をして時間を潰していた。
その間も酒場内の賑やかさは、相変わらずであった。
ワイワイガヤガヤと至る所から笑い声や話し声が聞こえてくる。
俺達の話し声を掻き消すくらいの賑やかさである。
だがある時、酒場内のどこかから、こんな会話が聞こえてきたのである。
「――おい、それよりも、お前聞いたか? あの魔炎公が、城の地下牢に投獄されたって話」
「おお、聞いたぞ。でもガセじゃないのか? だってアレだろ、魔炎公って言えば、イシュマリア王の親友だって噂だし……」
「そうそう。俺もそう思ってたから、嘘だと思ったんだ。でもさ、どうやら本当らしいぜ。それに異端審問まで行なわれるって話だ」
「本当かよ……いったい王都で何が起きてんだ? 王様も最近なんか変だっていうしさ」
「でも、おかしいのは王都だけじゃないよな。ここ最近、魔物の数も増える上、見た事ない魔物の姿まで目撃されてるらしいし」
「ああもう、やだやだ。お前等さ、もっと景気の良い話とかは無いのかよ」
「へへへ、じゃあ、この前、俺と寝たイイ女の話でもしてやろうか」
「そんなもん聞きたくねぇよ。ガハハハ――」
どうやら噂というものは、どこの世界でも一気に広がってしまうようだ。
(悪事千里を走るって諺があるけど、その通りだな……もうこんな所にまでヴァロムさんの噂が来ているとは……)
俺はそこでアーシャさんに目を向けた。
すると、アーシャさんも今の話を聞いていたのか、不安そうな表情を浮かべていた
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