第二章 御子の国イシュマリア
Lv13 新たな潮流
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様が……王都オヴェリウスで王を欺いたとして、城の地下牢に投獄されたそうなのですッ!」
「は? とうごく?」
一瞬何を言ってるのか分からなかったが、今の内容を脳内で反復する事により、その意味はすぐに理解した。
「ちょっ、ちょっと……投獄ってどういう事ですか? 何でヴァロムさんが……」
「私にも何が何だか分かりませんわ! 先程、お父様からそう聞いたのですッ。何が起きてるのか、さっぱりなんですのッ!」
アーシャさんは捲し立てるようにそう言うと、大きくため息を吐いて顔を俯かせた。
どうやら、アーシャさん自身も少し混乱してるようである。
まぁこれは仕方ないのかもしれない。
師として尊敬していた人物が、投獄されたなんて聞いたのだから、取り乱しもするだろう。
まぁそれはさておき、まずは冷静になった方がよさそうだ。
「とりあえず、落ち着こう、アーシャさん。それと、俺ももう少し詳細を知りたいから、順を追って話してくれますか?」
アーシャさんはそこで顔を上げる。
「……コータローさんて、こんな話を聞いても意外と冷静ですわね……もう少し驚くかと思ったのに」
「いや、十分驚いてますよ。でも、物事は整理して考えないとね。大事な事を見過ごしてしまうかもしれませんし」
偉そうな事を言ってるが、ただ単に用心深くなっているだけである。
これは現代日本での話だが、俺も色々と痛い目にも遭ってるのだ。
人間関係や金……そして家族の問題等色々とあった。
しかも酷い嘘で騙されたりした事もあったので、俺自身、物事を疑ってみる癖がついたのである。
おまけにそれらの所為で、大学を止めなければならない事態にもなったし……やめよう、昔を考えると気が滅入る。
今はそんな事よりも、ヴァロムさんの事だ。
「まぁそれはそうと、外で話すのもなんですから、中に入りませんか? ゆっくりと落ち着いた所で聞きたいですし」
「そうですわね。こんな所で話す内容じゃありませんわね」――
洞穴へと移動した俺達は、中央のテーブルで話をすることにした。
で、投獄されたヴァロムさんだが……話を聞く限りだと、どうやら、イシュマリア王家を侮辱したという事がその理由だそうである。
侮辱したという内容が気になるところだが、これ以上の事はアーシャさんにも分からないそうだ。
また、それに関係しているのかはわからないが、ソレス殿下も王家からお呼びがかかったそうである。
(ソレス殿下も呼ばれたのか……王都で何が起きているんだろう、一体……。この間のヴァロムさんの口振りを察するに、こうなる事を予想していた気がするんだよな。ヴァロムさんは何を始めるつもりなんだ……)
疑問は尽きないが、今の話で気になった事があるので、まずはそれを訊ねることにした。
「ところでアーシャさ
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