第二章 御子の国イシュマリア
Lv13 新たな潮流
[7/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れは?」
勿論、これを聞いた時のヴァロムさんは、凄く怪訝な表情をしていた。
また俺自身もそれを聞いて、思わず首を傾げたのであった。
なぜなら、俺が知っているドラクエの雷呪文は、勇者の専用呪文という認識だったからである。
だがラーのオッサンの話を聞く限りだと、どうやらその手の話とは少しニュアンスが違う感じなのだ。
盟約の証と言ったが、一体どういう意味なのだろうか?
それが気になったので、俺は早速訊いてみる事にした。
「でも、盟約ってことはさ、何か重要な事を約束したという事だよな。その辺の事って知ってるのか?」
「さぁな……それについては我も分からぬ。ミュトラと地上界との間で交わされた盟約らしいのでな。だが1つ言えるのは、この雷の呪文を使える者はそんなにいないという事だ。恐らく、ごく限られた者達にしか扱えないのだろう」
ヴァロムさんもそこで深く頷く。
「確かに、それはラーさんの言う通りじゃな。儂の知る限りでも、この雷の呪文を使える者は片手で足りるからのぅ。まぁそれはともかくじゃ……」
そこで言葉を切ると、ヴァロムさんは俺に視線を向けた。
「コータローよ……修得したばかりですまないが、デインとライデイン、そしてフォカールは、人前で使う事はおろか、誰にも話してはならぬぞ。今は余計な波風を立てたくないのでな。肝に銘じるのじゃ。よいな?」
「はい、わかっております。俺も面倒事は御免なので」――
[U]
アーシャさんに朝の戦闘訓練が見つかってから数日経った、とある日の夕食後の事である。
俺はその時間帯、洞穴の中央に置かれたテーブルにて、イシュマリアで現在使われている文字の読み書きを勉強している最中であった。
実は半年くらい前から、俺は夕食の後に、語学の勉強をするのが日課となっているのだ。
そんなわけで、俺の1日の流れは基本的に、日中は魔法や座学を学び、夜は語学というカリキュラムとなっているのである。
で、その成果のほどだが……流石に、勉強を始めてから半年以上は経つので、日常的に使われる文字についてはだいぶ理解できるようになってきた。が、しかし、まだまだ知らない単語や文字はあるので、引き続き、俺は勉強を続けているのである。
この文字の問題というやつは、避けて通れない事の1つなので、俺も腰を据えて勉強をする事にしているのだ。
まぁそんなわけで、以上の事から、その時間帯は語学の勉強をしていたわけだが、その時、いつにない真剣な表情をしたヴァロムさんが、俺の前にやって来たのである。
これは、その時の話だ。
ヴァロムさんは俺の対面にある椅子に腰かけ、暫しの沈黙の後、話を切り出した。
「コータローよ……勉学に励んでいるところすまぬが、大事な話があるので聞いてほしいのじゃ」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ