第二章 御子の国イシュマリア
Lv13 新たな潮流
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しますわね。それに、オルドラン様の愛弟子であるコータローさんならば、お父様もお認めになると思いますし」
「えぇ……アーシャさんの護衛ッスか。それはちょっと……」
正直、勘弁である。
アーシャさんのようなキツイ性格の人間に使われるのは、確実に心身が疲れるからだ。
だが今の言葉を聞いたアーシャさんは、ムスッとしながら口を開いたのであった。
「なんですの、その反応は……。私の元で働けるのですから光栄に思いなさい」
「へ? あの……もう確定なんですか?」
アーシャさんはコクリと頷くと、遠慮なく言った。
「ええ、確定ですわ。実を言いますと、護衛とかを抜きにして、前からそうしようと思っていたんですの。だって貴方……フォカールの魔法を使えますから、私の道具箱として最適なんですもの。ですから、私以外の人間には仕えさせませんわよ」
「ちょっ、マジすか!? はぁ……」
俺は少しゲンナリとしながら溜め息を吐いた。
そして、フォカールの魔法なんて覚えるんじゃなかったと、少し後悔もしたのであった。
だがとはいうものの、このフォカールは俺自身にとっても便利な魔法である。
それもあってか、溜め息を吐くと同時に、諦めにも似た気持ちも湧いてきたのだ。
アーシャさんはそれを見透かしたかのように微笑む。
「ウフフ、諦めて貰いますわよ。まぁそれはそうと、コータローさん、貴方……朝早くから魔物との戦闘を何回かしてましたけど、これから一体何をするつもりなんですの?」
「へ? 何って……もう帰るところですが……」
すると今の返答が意外だったのか、アーシャさんは首を傾げた。
「え? という事は……毎朝、魔物と戦闘をしてらしただけなんですの? なんでまた?」
「俺も新しい魔法を得たので、使いこなせるようになろうと思いましてね。だから、魔物と戦闘をして訓練をしていたんですよ。実戦に勝る訓練は無いですからね」
まぁとはいっても、俺の戦闘相手は彷徨う鎧が殆どであった。
何故、彷徨う鎧ばかりと戦闘するのかというと、無機質な鎧の魔物なので、倒してもあまり罪悪感が湧かないというのが大きな理由である。
とはいえ、勿論、他の魔物とも遭遇する事はあるので、その時は命を奪う覚悟を決めるが……。
「へぇ〜、コータローさんて努力家なんですのね……」
アーシャさんは意外そうに俺を見ていた。
どうやらアーシャさんの中で、俺は怠け者になっているのかもしれない。
ちょっとショックである。こう見えても、俺は努力はする方なのだ。……少しは横着もするけど。
「でも、多少の心得が無いと生きてくのが辛いですからね、この世界は……。それに俺の故郷には、こんな言葉があるんですよ……備えあれば憂いなしってね。日頃から準備しておけば、いざという時には何事も心配はいらないっ
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