第二章 御子の国イシュマリア
Lv13 新たな潮流
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実際に活発な子なので、ある意味、アーシャさんによく似合う髪型である。
だがそんな事よりもだ……ここにアーシャさんがいる事の方が驚きであった。
「え、アーシャさん? お、おはようございます……というか、何でこんな所にいるんですか? まだ修行の時間には早いように思うのですが……」
そう……アーシャさんが修行に来るのは、俺達が朝食を食べて暫くした後なのだ。
こんなに朝早くに来るなんてことは、今までなかったのである。
勿論、これには理由がある。
実はアーシャさんがヴァロムさんに弟子入りを認めてもらう際、ソレス殿下との約束で、こちらへの滞在時間は朝食後から夕食前までという決まりがあったからだ。
だから俺は驚いているのである。
するとそんな俺を見たアーシャさんは、ニコリと微笑み、不敵に口を開いたのであった。
「昨日、オルドラン様から耳寄りな情報を得ましたので、今日は早めに来る事にしましたの」
「は? 耳寄りな情報?」
俺は意味が分からんので首を傾げた。
「ウフフ、聞きましたわよ。ここ最近、コータローさんが朝早くに出かけて何かをしているみたいだと。そういうわけで、今朝はコータローさんの後をこっそり尾行する事にしたのですよ」
「さ、さいですか」
俺は後頭部をポリポリとかいた。
(ヴァロムさんも余計な事を……)
などと俺が考える中、アーシャさんは続ける。
「それにしても、コータローさん……貴方、随分と腕を上げましたわね。初めてお会いしたジュノンの月の頃とは雲泥の差ですわ」
「まぁ、あの時からかなり月日も経ちましたからね。今はもうアムートの月ですから、俺も少しは成長しましたよ。それに物騒な場所ですから、ある程度腕を上げとかないと何があるかわからないですからね」
話は変わるが、この世界では1年を6つの月に区切っており、ぞれぞれがアレス・ジュノン・ゴーザ・ヘネス・アムート・ラトナと呼ばれている。因みに、月の並びもこの順番である。
また、1つの月が60日くらいはあるので、現代日本でいう2か月相当と考えても問題がないようだ。
というわけで、俺がこの世界に来てから、もう既に8か月は経過しているわけなのだが、未だに、日本へ帰る為の糸口すら見つからない状況であった。なんとも悲しい話である。
というか、正直、帰ることについては、少し諦めてもいる今日この頃であった。
なぜならば……帰宅方法が、未だにサッパリ分からんのである。もうお手上げ状態なのだ。
8カ月経過しても、トホホという状況は相変わらずなのである。
気が滅入るので話を戻そう。
アーシャさんは俺をマジマジと見ていた。
「どうかしました? 俺の顔に何かついてますか?」
「……今のコータローさんならば、私専属の護衛として働いてもらってもいい気が
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