第二章 御子の国イシュマリア
Lv13 新たな潮流
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ずは、こいつから行くか……)
左側の彷徨う鎧をロックオンした俺は、早速、行動を開始した。
選択したのは勿論、物理攻撃の『たたかう』だ。
俺は魔法で強化した身体能力を利用して、間合いを一気に詰め、彷徨う鎧に向かい、袈裟に斬り下ろした。
その刹那、青白い光の刃が、彷徨う鎧を肩口から切り裂く。
それから続けざまに、俺は右足の裏で、斬りつけた彷徨う鎧を思いっきり蹴とばしたのである。
彷徨う鎧は後方に勢いよく吹っ飛んでゆく。
と、そこで、残りの2体が、俺に襲いかかってきたのであった。
しかし、俺は慌てない。
なぜならば、これは想定の範囲内の事だからだ。
俺は次に、後ろにある岩壁へと向かって駆け出した。
その時、背後をチラリと見る。奴等は一心不乱に、俺を追いかけていた。
俺はそれを確認したところで、前方にある岩壁へと向かい突進する。
そして、その岩壁を蹴って三角飛びのように跳躍し、追いかけていた奴等の背後に着地したのである。
(よし、背後を取った……隙あり!)
俺はすぐさま、奴等の背中を縦に水平にと、魔光の剣で斬りつけた。
斬撃を受けた2体の彷徨う鎧は、ヨロけながら、俺に振り返る。
この動作を見た感じだと、かなりダメージを与えられたようだ。
俺は間髪入れずに右手を突き出すと、そこでトドメの呪文を唱えた。
【ベギラマ!】
次の瞬間、俺の右手から、火炎放射器の如き炎が勢いよく放たれる。
そして、2体の彷徨う鎧達は、燃え盛る紅蓮の炎に包まれたのであった。
ベギラマを放った俺は、炎に焼かれる彷徨う鎧をジッと見詰めていた。
時間が経過するに従い、もがいていた彷徨う鎧も次第に身動きをしなくなり、暫くすると、完全にその動きを停止した。鎧を操っていた何かが消滅したのだろう。
するとその直後、ベギラマの炎は役目を終えたかのように消え去り、そこには焦げた鎧だけが静かに横たわっていたのである。
ちなみにだが、この世界の魔物はゴールドには変わらない。
つまり、魔物を倒して、手軽にお金を稼ぐなんてことは無理なのである。
お金を稼ぐには、現実世界と同様、働いて稼ぐしかないのだ。
まぁそれはさておき、魔物が動かなくなったのを見届けたところで、俺は魔光の剣を仕舞った。
「……さて、帰るかな」
誰にともなく、そう呟きながら、俺は後ろに振り返る。
と、その時である。
【朝早くから精が出ますわね。コータローさん】
斜め前方に見える岩陰から、突如、女性の声が聞こえてきたのだ。
俺はそこへと視線を向けた。
するとその岩陰から、魔法の法衣に身を包むアーシャさんが、姿を現したのである。
今日のアーシャさんは髪をツインテールにしており、少し活発な雰囲気であった。
まぁ
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