Lv12 精霊王
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?」
アーシャさんは、途端に焦った表情になった。
「……そ、そういえば……分かりませんわ」
「ですよね。オッサンは知ってるのか?」
「ああ、知っておるぞ」
アーシャさんは両手を胸の前で組み、オッサンに懇願した。
「ラー様、使い方を教えてくださいませんか。お願いします。このとおりです」
「うむ。いいとも」
というわけで俺達は、風の帽子の使用法を聞いた後、マルディラント城の屋上へと移動を始めたのである。
[V]
マルディラント城の屋上にやってきた俺達は、人気のない一画へと移動する。
そして周囲に人がいないのを確認したところで、アーシャさんは俺に言ったのである。
「ではコータローさん。先程、ラー様から言われた通りの手順でやってみましょう。オルドラン様の住んでおられるところを想像して、私とオルドラン様をそこまで連れて行ってください」
「わ、分かりました」
俺は少し緊張気味に返事をした。
何でこんな事になったかと言うと、要するに俺は実験台になったのである。
使い方自体は、魔道士の杖を使うのとそれほど変わらないので難しくはないのだが、なにぶん初めての事なので、少し緊張もするのであった。
まぁそれはさておき、俺達は風の帽子の使い方を実践する事にした。
俺はまず風の帽子を被ると、隣に来るよう2人を手招きした。
これには勿論理由がある。
実は転移させられる効果の範囲が、使用者を中心に半径3m程度しか無い為である。オッサン曰く、それ以上の範囲は転移できないらしいのだ。
というわけで、2人が所定の位置についたところで、俺は最後の手順に移行したのであった。
俺は帽子に取り付けられた青い水晶に触れ、僅かに魔力を籠める。
それからヴァロムさんの住処を想像し、そこへ行きたい! と、強く願った。
するとその時である!
俺達の周りに旋風が巻き起こり、俺達の身体がフワリと浮き上がったのだ。
それはまるで無重力の状態であった。
そして、次の瞬間、信じられない事が起きたのである。
なんと俺達は光に包まれ、まるで光の矢になったかの如く、一気に上空へ飛び上がったのだ。
俺は何が起きたのか分からなかったが、そんな事を考えている時間もなかった。
なぜならば、もう既に俺達は、目的地であるヴァロムさんの住処へと到着していたからだ。
そう、あっという間の出来事だったのである。
俺達はベルナ峡谷にあるヴァロムさんの洞穴の前へと、フワッと舞い降りるかのように着地した。
そして周囲を見回しながら、俺はボソリと呟いたのであった。
「こ、ここは……間違いない。ヴァロムさん住処だ」
「こりゃ……たまげたわい。まさか本当に、このような物があったとは……」
ヴァロムさんも驚き
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