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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv12 精霊王
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ばそうですが、素晴らしい移動手段を手に入れましたので、この城からオルドラン様の住むベルナの地へ通おうと思っておりますの。それならば、私でも可能ですので」
 ヴァロムさんは溜息を吐いた。
「じゃから、風の帽子に拘っておったのか。そこまでは予想できんかったわい」
 アーシャさんは更に頭を下げる。
「オルドラン様、お願いします。試練の時、私はコータローさんの魔法を扱う力量を見て、オルドラン様の指導力に驚き、感服したのです。コータローさんは王位継承候補者たる証の魔法も修得しておりますので、勿論、魔法を扱う才能は高いのですが、それを抜きにしても素晴らしいと私は思いました。ですので、私も是非、その指導を受けたいと思った次第なのであります」
 今の話を聞いたヴァロムさんは、そこで俺に視線を向けた。
「コータロー……お主、試練であの魔法を使ったのか?」
「……はい、使ってしまいました。抜き差しならない事態になったので、あの魔法しか選択肢がなかったのです」
 俺は面目ないと頭をかいた。
 ヴァロムさんも困った表情を浮かべる。
「ふむ……そうであったか。弱ったの」
「あの魔法については、私も口外するつもりはございませんので安心してください。それよりも弟子の件を、何卒、宜しくお願いいたします」
 そしてアーシャさんは頭を下げ続けたのである。

 沈黙の時が過ぎてゆく。
 俺が見たところ、アーシャさんの様子は軽い感じではなく、真剣なモノであった。
 なので、ヴァロムさんも少し判断に迷っているのだろう。
 ヴァロムさんは、一体どういう判断を下すのだろうか……。
 暫しの沈黙の後、ヴァロムさんは口を開いた。
「ところでアーシャ様。その風の帽子じゃが、一度、確認した方が良いと思うがの。古代の伝承ではキメラの翼の事を、色んな街へと移動できる魔法の翼と伝えておるが、今の世では誰もそれを確認した者はおらぬのじゃ。まずは、言い伝えが本当かどうかを調べてからにしたらどうじゃ。儂に弟子入りするかどうかは、それからでも遅くはあるまい」
 アーシャさんはそれを聞き、ハッと顔を上げる。
「確かに……そうですわね。ラー様の事を疑うわけじゃありませんが、一度、確認をしてみた方が良いかもしれません」
 するとオッサンは、そこでお約束の忠告をしたのだった。
「あ、1つ言っておくが、建物の中や屋根のある場所では使うなよ。痛い目に遭うぞ。確認するなら空の下でやれ」
 確かに、これも重要なことである。
 俺もゲームでは、何回も天井に頭をぶつけたのを思い出す。
 また、それを思い出すと同時に、当時の懐かしさも蘇ってくるのである。
「あら、そうなんですの? じゃあ、人気(ひとけ)のない城の屋上で試そうかしら」
「ところでアーシャさん、その帽子の使い方って分かるんですか
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