Lv12 精霊王
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、そうですか。それは良い事を聞きました」
と言うとアーシャさんは、満面の笑顔を浮かべたのである。
アーシャさんはそこで、俺に視線を向けた。
「コータローさん。祈りの指輪を1つと風の帽子は、私が頂いてもよろしいかしら? 他の道具は全て貴方に差し上げますわ」
「か、風の帽子をですか……」
正直言うと、俺もこの中では狙っていたアイテムであった。
なので、少し返答に困ってしまったのである。
寧ろ、武器関係をアーシャさんに全部上げようとまで思っていたくらいなのだ。
だがそれが顔に出ていたのか、アーシャさんは妙な迫力を発しながら俺に告げたのである。
「……【良い】ですわよね、コータローさん。だって貴方、フォカールの魔法も得られた上に、贈り物の大部分を得られるのですもの。【嫌】とは言わせませんわよ」
アーシャさんは笑みを浮かべながら、凄い睨みをきかせてきた。
そして俺はというと、アーシャさんの凄い迫力に、あっさりと屈してしまったのである。
「は、はひ……分かりました。風の帽子はアーシャさんに差し上げます」
「ウフフ、ありがとうございますね、コータローさん。では早速、頂きますわ」
アーシャさんはそう言うや否や、行動が早かった。
流れるような動作で立ち上がると、空間の切れ目に手を伸ばし、目的の品をサッと取り出したのだ。
それから両手で風の帽子を大事に抱えると、ソファーにゆっくりと腰を下ろしたのであった。
ちなみに、風の帽子はベレー帽のような形をしており、両脇は青い水晶球と白い羽飾りで装飾されていた。色は、澄んだ青空のような清々しい青である。
まぁそれはさておき、アーシャさんはホクホク顔であった。
ヴァロムさんはニコニコと微笑みながら、アーシャさんに言った。
「カッカッかッ、良かったの、アーシャ様。欲しい物が手に入ったようで、何よりじゃな」
だがしかし……。
意外にも、アーシャさんは頭を振ったのである。
「いいえ、まだ目的を達していません。必要な物が手に入りましたので、ここからが本題ですわ」
「ここからが本題?」
ヴァロムさんは首を傾げた。
するとそこで、アーシャさんは畏まったように居住いを正す。
そして恭しく丁寧に頭を下げ、ヴァロムさんに言ったのである。
「オルドラン様、お願いがございますの。私を弟子にして頂けませんでしょうか? どうかこの通りです。お願い致します」
「はぁ? で、弟子にじゃと……」
ヴァロムさんは狼狽えた。
まぁ予想外の展開だから仕方ないだろう。
一度咳払いすると、ヴァロムさんは言った。
「しかしのぅ、アーシャ様。ソレス殿下は、絶対に許さぬぞ。儂の弟子になるという事は、この城を出るという事じゃ。この意味を分かっておるのか?」
「ええ、確かに普通なら
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