Lv12 精霊王
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「……よし、できたぞい」
どうやら解読完了のようだ。
「お疲れさまでした、ヴァロムさん。で、なんて書いてあったんですか?」
「これを訳すと、こうなるの――」
―― ミュトラの書・第二編 ――
天と地を創造した全能なるエアルスは、続いて雨を降らすと大地を潤して草木を生やした。
エアルスは大地を豊かにすると、次に万象を生む力を用いて数多の生命を創り出した。
そして豊かな大地に生命を解き放ったのだ。
エアルスは創った世界の様子を暫く見る事にした。
しかし、日が経つにつれ、数多の生命は醜い争いを繰り広げるようになった。
世界は次第に、無秩序な混沌の世界へと傾き始めていった。
だがある時、エアルスすら予期せぬ変化が現れた。
憎悪に蝕まれた生命から、邪悪なる魔の獣が産み出されたのだ。
全能なるエアルスは、魔の獣をどこかに隔離せねばならないと考えた。
だが魔の獣を隔離するだけでは、混沌の中から、また更なる魔の獣を生み出すことになってしまう。
そこでエアルスは、まず世界を5つに分けて争いを減らす事にした。
しかし、そこで更なる問題が出てきた。
5つに分けた事により、エアルスだけでは世界を管理しきれなくなったのだ。
エアルスは、自分以外の世界を管理する存在が必要であると考え、高位なる存在を創る事にした。
エアルスは早速、自らの化身を創り出した。
全てを統制する至高の神・ミュトラ。
審判を司る天界の王・アレスヴェイン。
死と再生を司る冥界の王・ゾーラ。
繁栄を司る精霊界の王・リュビスト。
魔の世界の監視者・ティアスカータ。
地上界を見守る時空の門番・ファラミア。
それ以後、この6つの化身が世界の管理をする事になった――
「――とまぁこんな感じじゃな。読んだ感じだと、何かの神話のようじゃわい」
ヴァロムさんはそう言って、顎鬚を撫でた。
「本当ですね。なんか、そんな感じです」
確かにヴァロムさんの言うとおりである。
まるで旧約聖書の冒頭部分である創世記を聞いているみたいであった。
とはいうものの、内容は全然違うものだが……。
アーシャさんは首を傾げる。
「でも、ミュトラやリュビストはともかく、他の名前は初めて聞きますわね。一体何なのかしら……気になりますわ」
と、そこで、胸元に仕舞ったラーのオッサンが、突然、話に乱入してきたのである。
「我も今の話は初めて聞くな……。だが、その6つの名は知っているぞ」
「突然話すなよ。びっくりするじゃないか」
「あら、そういえばラー様がいたのを忘れてましたわ。ラー様も会話に参加したらどうですの? この面々なら構わないんでしょ」
「流石、アーシャさんは話がわかるな。おい、コー
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