Lv11 魔炎公
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るのだ。
一応、ヴァロムさんの後ろには武器を構える守護隊の面々がおり、いつでもヴァロムさんのサポートに入れる状態にはなっているが、その不安を拭い去れるだけの決定打には、どうしても欠けるのである。
「ヴァロムさん、本当に大丈夫なんだろうか……」
と、そこで、アーシャさんが俺の隣にやって来た。
「大丈夫だと思いますわよ。だって、魔炎公ヴァロムがそう言うんですもの」
意味が分からんので、俺は訊ねた。
「さっきもそう言ってましたけど、どういう意味なんですか?」
「オルドラン様は、凄まじい紅蓮の炎を操る魔法使いにして貴族ですから、そこからついた二つ名みたいなものですわ。ですが、本人の前では言わない方が良いですわよ。オルドラン様は、その呼び方を嫌っているそうですから」
「だからなんですか。なるほど」
(要するに、魔炎公という事ね。で、ヴァロムさんは、この呼び方が嫌いと……覚えとこう)
アーシャさんは続ける。
「コータローさんは知らないようですから言いますけど、オルドラン様は、その辺の魔法使いとは次元が違いますのよ」
「次元が違う?」
「ええ。なぜならば、オルドラン様の家系は、大賢者アムクリストの教えを受けた5人の弟子の系譜なのです。つまり、オルドラン様は、大賢者の編み出した数々の術を継承している魔法使いなのですから、もう次元が違うのですよ」
「大賢者アムクリスト……って誰ですか?」
だがそれを聞くなり、アーシャさんはガクッとなった。
どうやら、俺はまたKYな発言をしたようである。
「あ、貴方……大賢者の事も知らないのですか……はぁ……もういいです。後でオルドラン様から直接聞いてください。それよりも、今は目の前の戦闘に集中しましょう。魔物はもうそこまで来てますから」
「すんません。そうします」
というわけで俺達は、ヴァロムさんへと視線を注いだのであった。
魔物達はドラゴンライダーを筆頭に、真っ直ぐとヴァロムさんへ向かっていた。
すると近づくにつれ、魔物達の声が、風に乗って聞こえてきたのである。
【ウケケケ、見ろよ。人間のジジイが1匹で、俺達を相手する気だぜ】
【あまりジジイは美味くねェが、まずはあのジジイから食ってやるか、ケケケ】
【じゃあ俺は、後ろの若い奴等にするぜ。骨までしゃぶりつくしてやる】
【ゲヘゲヘ、好きなのを食べればいいじゃねェか。どの道、こいつ等は皆殺しにしろと言われてるからな】
【そうだそうだ。後から来る奴等の分なんて残さなくていいから、全部食っちまえ。キャキャキャ】
聞いてると胸糞悪くなる会話であった。
そして俺は思ったのである。
こんな奴等に喰われて死ぬのは、真っ平御免だと。
魔物達はスピードを緩めず、こちらに向かって真っ直ぐやって来る。
程なくし
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