Lv11 魔炎公
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その言葉を皮切りに、馬はスピードを落としていった。
馬が止まったところで、ヴァロムさんはティレスさんに言った。
「ではティレス様、儂が奴等の相手をしよう。もし討ち漏らしたのがいたら、守護隊の方で始末してもらいたい」
ティレスさんは首を傾げた。
「え? オルドラン様……1人で戦われるのですか?」
「ああ、そのつもりじゃ。まぁ儂もたまには働かんとの。カッカッカッ」
ヴァロムさんは豪快に笑った。
だがそれを聞いたティレスさんは、なんとも言えないような微妙な表情をしていたのだ。
まぁそうなるのもわからんでもない。
「……わかりました。では、オルドラン様をすぐに補佐できるよう、守護隊を背後に待機させておきます」
「うむ。そうしておいてくだされ」
そこでヴァロムさんは、俺とアーシャさんに視線を向けた。
「コータローとアーシャ様は、この中で休んでおってくれればいい。あとは儂が何とかしてやろう」
「でも……1人で大丈夫なんですか? あの魔物達、結構強いと思いますよ」
俺は思った事を正直に言った。
とてもではないが、幾ら熟練の魔法使いとはいえ、1人では厳しいように思えたからだ。
しかもこのドラクエ世界は、かなりの呪文が失われているという現実がある。
その為、奴等を一掃できるほどの強力な攻撃魔法があるのかどうかも、怪しいのである。
だがしかし……悲観的に思う俺とは対照的に、ヴァロムさんは非常に楽観的な表情をしていたのであった。おまけに、笑みすら浮かべているのである。
(1人で、あの魔物を相手にどう戦うつもりなのだろう……ここまで余裕の表情という事は、何か秘策でもあるのか?)
ふとそんな事を考えていると、ヴァロムさんは俺に微笑んだ。
「まぁこれも勉強じゃ、コータロー。お主は、まだまだ学ばねばならん事が沢山ある。とりあえず、安全なところで、儂の戦い方を見学しておれ」
「……本当に大丈夫なんですか?」
念の為、俺はもう一度確認をした。
ヴァロムさんは頷く。
「心配は無用じゃ。ではティレス様、行こうかの」
「はい、オルドラン様」――
馬車を降り、外に出たヴァロムさんは、魔物達へと向かって、1人歩を進める。
そして、50mほど進んだ所で、ヴァロムさんは立ち止まったのである。
どうやらそこで、魔物を迎え撃つつもりなのだろう。
俺は次に、魔物の位置を確認する。
魔物達はまだ離れた所にいるが、あと30秒程度で、ここに到達するくらいの距離であった。
というわけで、もう間もなくである。
その為、見ている俺も緊張してきた。
(ヴァロムさんはああ言ってたけど、本当に1人で大丈夫なのか……一体何をするつもりなんだろう……)
あの魔物達が相手じゃ、魔法使い1人では無謀な気がす
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