Lv11 魔炎公
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。ただ2体とも共通してる事があって、ラリホーという睡眠魔法が苦手だったような気がするんです。まぁ俺も記憶に曖昧な部分があるんで、そこまで自信は無いんですが……」
ヴァロムさんは顎に手を当てて興味深そうに聞いていた。
「ほうほう、なるほどのぅ……ラリホーに弱い可能性がありという事か。で、もう1体の竜に跨っておるのは何なんじゃ?」
「あれは多分、ドラゴンライダーという魔物で、御伽噺上では、かなり強い魔物だった気がしますね。魔法は使いませんが、竜が吐く炎と、それに跨る魔物の騎士による双方の攻撃が、かなり厄介な感じに記述されてました」
「竜の吐く炎か……それは厄介じゃな」
俺は頷くと続ける。
「ええ……しかもその上、魔法にも結構耐性を持ってるらしくて、弱い魔法では話にならないような事が書かれておりましたね。まぁ俺の記憶が確かならですが……」
「弱い魔法は話にならぬ……か。ふむふむ、なるほどのぅ」
そしてヴァロムさんは、目を閉じて無言になったのである。
多分、今の話を整理してるのだろう。
程なくして、ヴァロムさんはティレスさんに視線を向けた。
「少しよろしいかな、ティレス様」
「はい、何でございましょうか?」
「1つ訊きたいのじゃが、守護隊の者でラリホーを使える者はおるのか?」
ティレスさんは頭を振る。
「いえ、今いる守護隊の中にラリホーを使える者はおりませんね。今回連れてきた半数は魔法戦士型の隊員ではありますが、火炎や冷気系魔法が得意な者と、回復魔法が得意な者だけです。このイデア遺跡群に出没する魔物を考慮しましたところ、補助的な隊員は必要ないと判断しましたので」
「そうか……。という事は、使えるのは儂だけという事じゃな」
ヴァロムさんはそう言うと、目を細めて真剣な表情になったのである。
この表情を見る限り、ヴァロムさんは何かを始めるつもりなのだろう。
「ティレス様……一旦、守護隊の者達に止まるよう、指示を出してくれぬか」
「えっ? それはどういう……」
「敵は空じゃ。地の利は向こうにある。おまけに奴等は、我等の行く手を阻む為に先回りしようとしておるからの。そのような場合は、移動しながらでは応手は難しかろう。ここは敵の思惑通り、止まって迎え撃った方が良いと思うのだが、どうかの?」
「何か策があるのですか?」
「なに、策というほどのモノではない。とっとと終わらせて、帰ろうと思っているだけじゃわい」
するとティレスさんは、笑みを浮かべた。
「という事は、オルドラン様も手を貸してくれるという事ですね。わかりました。ここら辺で止まり、迎え撃つことにしましょう」
「うむ」
そしてティレスさんは、大きな声で告げたのである。
【全隊員に告ぐ! 馬を止めるのだ! 止まった状態で迎え撃つぞッ!】
【ハッ
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