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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv11 魔炎公
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「2人共、無事であったか。一体何があったのじゃ?」
 問いに答えたいのは山々だったが、今は不穏な気配の方が先だ。
 その為、俺はまずそれを告げる事にした。
「ヴァロムさん、大変です。詳しくは後で話しますが、魔物達がこの神殿に向かっているそうです」
「なんじゃと どういう事じゃ?」
「オルドラン様、私達は太陽神なる者に、そう告げられたのであります。そして急ぎ、この神殿を後にせよと言っておりました。ですから、早く撤収したほうが良さそうですわ」
「太陽神なる者だと……。アーシャ、それは本当か?」
 ティレスさんは眉根を寄せた。
「本当ですわ、お兄様。ですから、早く、帰りましょう」
「しかし、な……」
 ティレスさんとヴァロムさんは、そこで困ったように顔を見合わせた。
 2人の表情を見る限りだと、半信半疑といった感じであった。
 時間が無いが、少し中でのことを話して、納得してもらうしかない。
 というわけで、俺は簡単に、これまでの事を話す事にした。
「ヴァロムさん。実は俺達、太陽神の試練を乗り越えたんです。そこで色々と話を聞けたんですが、ついさっき、太陽神と名乗る者が俺達に忠告してきたんですよ。不穏な気配が迫っていると。なので、急いでここから立ち去った方がいいと思います」
「試練を乗り越えたじゃと、むぅ……」
 ヴァロムさんは思案顔になった。
 恐らく、判断に迷っているのだろう。
 程なくして、ヴァロムさんは口を開いた。
「……わかった。ここは、コータローとアーシャ様を信じよう」
 ヴァロムさんはそこで、ティレスさんに視線を向ける。
「ティレス様、引き上げじゃ。守護隊の者にもそう伝えてくれぬか」
「はい……オルドラン様がそう仰るのであれば……」
 ティレスさんはまだ半信半疑といった感じであったが、とりあえず、俺達はこの場を後にしたのである。

 来た道を戻り、神殿を出た俺達は、その先に続く石階段を降りてゆく。
 そして、下まで降りたところで、俺達は待機させていた馬と馬車に乗り、撤収を始めたのであった。が、しかし……イデア遺跡群の半ば辺りまで来た所で、前方を進む守護隊の方々から、大きな声が聞こえてきたのである。
【ティレス様にオルドラン様! 前方、北東の空に、見た事もない魔物の群れが現れましたッ。かなりの移動速度です。このままでは戦闘は避けれません!】
 俺はその声を聞き、馬車の窓から空を見上げる。
 と、次の瞬間、俺は思わず息を飲んだのであった。
(イ!? ア、アイツ等は!?)
 なんとそこにいたのは、ドラクエでも中盤の終わりに出てくるような、ちょっと面倒な類の魔物だったのだ。この遺跡にいる魔物よりも、遥かに強い敵だったのである。
 俺は思わず、魔物の名前を口にした。
「あ、あれは……バピラスとホー
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