Lv11 魔炎公
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力が張り巡らされているからな。それはともかく……どうなんだ? ヴァロムという者は、この年老いた男の事か?」
「ああ、そうだけど」
「ふむ……この男ならば認めてやろう。だがそれ以外の者には、私や精霊王の贈り物の事はともかく、ラーの鏡の事については絶対に話してはならぬ。いいな?」
なぜか知らないが、ヴァロムさんのことは認めてくれるようだ。
(ヴァロムさんはいいのか……えらくアッサリOKしたな……多分、何か理由があるんだろう)
まぁそれはともかく、俺達は互いに頷き、返事をした。
「分かった。約束する。誰にも言わないよ」
「私も誰にも言いませんわ」
「頼むぞ。これは精霊王の指示だからな」
「でもそうなると、オッサンをフォカールで隠さないといけないな。ラーの鏡は大きいから、こんなの持って行ったら、他の守護隊の方々も、流石に不思議に思うし」
「それは心配せんでいいぞ。我は鏡の大きさを変化させられるからな。事のついでだ。お主達が携帯しやすいように、首飾りの形状へと変化してやろう」
そう言うや否や、オッサンは、俺の掌の上で小さくなっていったのである。
「なッ!?」
この現象には、俺もアーシャさんも言葉を無くしてしまった。
しかもラーのオッサンは、直径5cm程度まで縮んだところで、首に掛ける金色の鎖も出したのだ。
(おいおい……6分の1くらいに縮んだぞ。おまけに鎖まで出すし……いったいこのオッサンは、どういう構造になってるんだよ)
ハッキリ言ってデタラメな鏡であった。
まぁとりあえず、ファンタジー世界なので、こういう事もあるのだろう。
変態を遂げたところで、鏡から声が聞こえてくる。
「よし、では急……ン? これは……」
「なんだ、どうかしたのか? オッサン」
「急ごうか、二人共……。なにやら不穏な気配が、この神殿に近づいておるようだ」
「なんだよ、その不穏な気配って……」
「恐らく……魔物達だろう。イデア神殿の封印が解かれたのを察知したのかもしれぬ。急ぎ、この神殿を後にした方が良いぞ」
これを聞く限りだと、なにやらヤバそうな感じだ。
俺はオッサンを首に掛けると、鏡を服の内側に入れた。撤収開始である。
「行こう、アーシャさん」
「ええ、急ぎましょう。お兄様にも、この事を伝えないといけませんわ」
そして俺達は、旅の扉へと足を踏み入れたのである。
[V]
旅の扉を潜った先は、試練の始まりである石版の前であった。
俺はそこで、周囲を見回した。
すると、石板の付近にいるヴァロムさんとティレスさんの姿が、視界に入ってきたのである。
向こうも俺達に気付いたようだ。
ヴァロムさんとティレスさんは、俺達へと駆け寄ってきた。
「アーシャとコータロー君、大丈夫だったか!」
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