Lv11 魔炎公
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そして、俺もアーシャさんと共に、空間へとアイテムを収納していったのである。
(ごめんよ、アーシャさん……でも、悪いのは肝心な事を言わなかったラーのオッサンだからね……)
と、心の中で謝罪しながら……。
[U]
精霊王からの贈り物を全て片付けた俺達は、来た道を戻り、最初の部屋へとやってきた。
そこでラーのオッサンが指示してくる。
「我を左側の壁に向けよ。その向こうに、帰りの旅の扉がある」
「了解」
俺は左側の壁に向かい、ラーの鏡を向けた。
するとその直後、鏡はカメラのフラッシュのような光を発し、先程と同じように、壁の一部が霧状になって、隠されていた茶色い扉が姿を現したのである。
俺達はその扉を開き、向こうの空間へと足を踏み入れる。
扉の向こうは、今いた部屋と同じような造りの所であった。が、しかし、一つ大きな違いがあった。それは何かというと、部屋の真ん中に、青白く光る煙が渦巻いていたからである。
(これが旅の扉か……ゲームだと何も考えずに飛び込んでいたが、リアルだと結構緊張するなぁ……)
まぁそれはさておき、あとはこれを潜るだけだが、その前に確認しなきゃいけないことがある。
「なぁ、ラーのオッサン……ところで、この旅の扉は、どこに続いているんだ?」
全然知らない場所に出る可能性があるので、これは潜る前に訊いておかねばならないのである。
オッサンは言う。
「これの行き先は、お主達が入ってきた石版のある部屋だ」
「ってことは、あの大広間って事か。よし、では行く――」
と、俺が言いかけたところで、オッサンが遮った。
「待て……その前に、お主達に1つ言っておくことがある」
「言っておく事?」
「なんでしょう、ラー様」
「実はな……ラーの鏡の事は秘密にしておいてもらいたいのだ。だから、この先にいるであろう、お主達の仲間に何か聞かれても、鏡の事は伏せておいてほしいのだよ。いいな?」
アーシャさんは首を傾げる。
「何故ですの?」
「今はまだ、ラーの鏡の存在を知られるわけにはいかぬのだよ」
「でもなぁ……俺達と一緒に来ている人達の中にヴァロムさんという人がいるんだけど、その人はラーの鏡の事を知っているぞ。だから、俺達はここに来たんだし……あの人は騙せないよ」
恐らくヴァロムさんは、俺の話とあの古い書物の記述とを照らし合わせて、ここが怪しいと睨んだ気がするのだ。
なので、ヴァロムさんが俺をこの地に導いたも同然なのである。
と、そこで、ラーの鏡に、ヴァロムさんやティレスさん達の姿が映し出された。
「……この中に、そのヴァロムという者はいるか?」
それはまるで、監視カメラの映像のようであった。
「おお……こんな事までできるのか?」
「この神殿内には、強力な精霊の
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