Lv11 魔炎公
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て魔物達は、ヴァロムさんの魔法の間合いへと入った。
そこでヴァロムさんが動いた。
ヴァロムさんは両手を大きく広げ、宙に円を描くような動作をする。と、その直後、ヴァロムさんの身体全体がオレンジ色に輝いたのである。
そして、ヴァロムさんは両手を斜め上に掲げ、魔物達に掌を向けたのであった。
すると次の瞬間、魔物達の大部分が、まるで飛ぶのを止めたかのように、パタパタと地上に落ちてきたのである。
それはまるでキンチョールやフマキラーを撒いて、蚊や蜂が落ちてくる動作とそっくりであった。
だが、そこから更に信じられないモノを、俺は目の当たりにすることになるのであった。
なんと、魔物が落ちた所に1つの爆発と1つの大きな火炎が突如襲いかかったからである。
それだけではない。今のと同時に、直径5mはあろうかという巨大な火球がヴァロムさんの前に出現し、ドラゴンライダー目掛けて襲い掛かったのだ。
そして瞬く間に、辺りは炎が埋め尽くす地獄絵図と変化していったのであった。
その地獄の中を身動きできる魔物は1体もいなかった。
あのドラゴンライダーでさえも、巨大な火球に飲み込まれ、成すすべなく火達磨になったのである。
俺は今の一連の出来事が理解不能であった。
なぜなら、今のヴァロムさんは、魔法を唱えたような感じが、全くなかったからだ。
しかも、火炎と爆発と火球が、全て同時に発生したのである。
俺には今の現象がどういう原理で起きたのかが、さっぱりであった。
それどころか、魔法なのかどうかすらも、判断がつかなかったのである。
(なんだよ今のは……なにが起きたんだ一体……)
と、そこで、アーシャさんの驚く声が聞こえてきた。
「あ、あれは……もしや、大賢者が伝えたという魔法詠唱術……。もしそうならば、恐ろしいほどの威力ですわ……」
「知ってるんですか、アーシャさん?」
「私も詳しくは知りませんが、大賢者アムクリストが編み出したという究極の魔法詠唱術があるそうなのです。恐らく、今のがそれだと思います」
よく分からんが、とてつもなく凄いというのは伝わってくる。
気になったので俺は訊ねた。
「今、究極の魔法詠唱術って言いましたけど……一体、何なんですか?」
「私も噂でしか聞いた事がないのですが……なんでも、無詠唱で幾つもの魔法を同時に行使する秘術と聞いた事がありますわ」
「マ、マジすか。同時に幾つもの魔法行使って、凄過ぎでしょ……」
凄いというか、もはや規格外のチート魔法使いである。
ゲームならば、バランスブロックな術だ。
「ええ、凄過ぎますわ。しかもオルドラン様は全盛期の頃、同時に6つの魔法を使えたと云われております。そのあまりの凄まじさから、魔炎公ヴァロムとまで呼ばれたそうなのですから」
「魔炎
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