Lv10 ラーの鏡
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ュラナの洗礼を受けたら、デインを使えるようになった事や、ヴァロムさんから、この呪文の事を誰にも話さないように言われた事等を……。
アーシャさんはそれらを茶化さずに、静かに聞き入っていた。
この様子を見る限りだと、一応、理解はしてくれているみたいである。
「――というような事があったので、俺はデインが使える事を隠していたんです。ですので、アーシャさんも秘密にしておいて頂きたいんですよ」
するとアーシャさんは目を閉じて無言になった。
何か色々と考える事があったのだろう。
暫くするとアーシャさんは口を開いた。
「とりあえず、隠していた理由は分かりましたわ。それと、オルドラン様が隠せという判断を下したのも、十分に理解できます。なので、私も他言は致しませんわ」
「ありがとうございます」
俺はホッと胸を撫でおろした。
アーシャさんは続ける。
「ですが、不思議ですわね……この国の歴史上、イシュマリアの子孫以外で、この魔法を使える者はいない筈ですのに……」
どうやら、その部分だけは合点がいかなかったのだろう。
考えてみれば、ヴァロムさんも最初はこんな感じだった。
これらの反応を見る限り、やはり、この呪文は秘密にしておくのがいいようである。
まぁそれはさておき、今はそれよりも、この先に進むのが先決だ。
「アーシャさん、道も開けた事ですし、そろそろ先に進みませんか?」
「そうですわね。後で【じっくりと】貴方に話を訊かせてもらえばいいのですからね。それに貴方の魔法を見ていたら、魔炎公ヴァロムの修行がどんな物なのかも気になりましたし。ウフフ」
マエンコウヴァロムの意味がよく分からないが、アーシャさんはそう告げると共に、不気味な微笑みを浮かべたであった。
「はは……お手柔らかに」――
[U]
黄金の扉を開き、その向こうへと足を踏み入れたところで、俺達は周囲を見回した。
するとそこは、旅の扉に運ばれた最初の部屋と同じような感じの所であった。
だが1つだけ違うところがあり、部屋の中心部には、マヤのピラミッドを思わせるような、大きな石の祭壇が鎮座していたのだ。
祭壇の中央にある石板のようなモノには、大広間でみた太陽のシンボルマークみたいなのが刻まれている。
その為、祭壇は太陽神との関係を深く匂わせる様相をしていた。
また、そんな祭壇の天辺には、仄かに白い光を放つ丸い鏡があり、訪れる者を静かに待ち受けているのであった。
「コータローさん……あの鏡が気になりますわね」
「そうですね。近くで見てみますか?」
「ええ」
俺達は祭壇の前へと行き、暫し鏡を眺めた。
その丸い鏡は、台に立てかけられるようにして置かれている。
真円を描く形状で、大きさは直径30cm程度であ
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