Lv10 ラーの鏡
[7/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
してやった。
火の玉が爆ぜて化け物は転倒する。
だがこれで終わりではない。もう1体の方も、俺達へと近づいていたのである。
俺は慌てて魔力を指先に向かわせると、もう1体の方に自前のメラを放った。
(こんなくだらない茶番は、とっとと終わらせないと……)
化け物がメラで吹っ飛んだところで、俺はアーシャさんに言った。
「アーシャさん! 後ろの壁まで走るんだ。真実の扉は、俺達の背後の壁にあるッ」
しかし、アーシャさんは意味が分からないのか、ポカンとしていた。
「え? ど、どういう事ですの?」
埒が明かないと思った俺は、そこでアーシャさんの手を取った。
「話は後ですッ」
「ちょっ、ちょっと、コータローさん。どうしたんですの急に」
アーシャさんは戸惑っていたが、今は時間がない。
というわけで俺は、アーシャさんの手を引きながら、後ろにある鏡の壁へと駆け出したのである。
後の壁まで戻ったところで、俺は化け物の位置を確認した。
すると奴等も、俺達の動きに連動するかのように、同じようなスピードで後に付いて来ていた。
その為、俺達とはそれほど距離は空いていない。この辺は流石に、俺達の影といったところだろう。
まぁそれはさておき、今、奴等に襲われるのは不味いので、俺が奴等の足止めをする事にした。
「アーシャさんッ、俺が奴等を暫く足止めしておきます。ですから、その間に扉を開いてください」
「と、扉と言われましても、後ろにあるのは鏡の壁じゃないですか。扉なんてどこにもありませんわッ」
「いいですかアーシャさん、向こうに見える黄金の扉は影なんです。ですから真実の扉は、絶対に影と正反対の位置にある筈です」
「影って……そういう意味だったんですの……分かりました。探してみますわ」
アーシャさんもようやく理解したようだ。
次は俺の番である。
俺はこの2体の化け物を同時に相手する為に、1つ試したい事があった。
それは魔法を両手で行使するという事である。
ついさっきメラを使った時に、魔力の流れを簡単に操作できたので、やれそうな気がしたのだ。
今になって気付いたが、ヴァロムさんにやらされたあの修行のお蔭で、魔力制御がだいぶ上達してたのである。
そう考えると、あの憎たらしい呪いの武具も、ある意味、凄いモノなのかもしれない。
まぁそれはさておき、以上の事から、俺は同じ魔法を両手で行使しようと思うわけだが、小さな火の玉を放つメラ程度では、すぐに奴等も行動を再開してしまう。
その為、俺は試しにあの呪文を唱えてみる事にした。
アレならば、魔力供給さえ止めなければ、暫く持続できる気がしたのだ。
だが懸念はアーシャさんであった。が、もうそんな事は言ってられないので、後で事情を話して黙っていてもらうし
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ