暁 〜小説投稿サイト〜
Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv10 ラーの鏡
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してやった。
 火の玉が爆ぜて化け物は転倒する。
 だがこれで終わりではない。もう1体の方も、俺達へと近づいていたのである。
 俺は慌てて魔力を指先に向かわせると、もう1体の方に自前のメラを放った。
(こんなくだらない茶番は、とっとと終わらせないと……)
 化け物がメラで吹っ飛んだところで、俺はアーシャさんに言った。
「アーシャさん! 後ろの壁まで走るんだ。真実の扉は、俺達の背後の壁にあるッ」
 しかし、アーシャさんは意味が分からないのか、ポカンとしていた。
「え? ど、どういう事ですの?」
 埒が明かないと思った俺は、そこでアーシャさんの手を取った。
「話は後ですッ」
「ちょっ、ちょっと、コータローさん。どうしたんですの急に」
 アーシャさんは戸惑っていたが、今は時間がない。
 というわけで俺は、アーシャさんの手を引きながら、後ろにある鏡の壁へと駆け出したのである。

 後の壁まで戻ったところで、俺は化け物の位置を確認した。
 すると奴等も、俺達の動きに連動するかのように、同じようなスピードで後に付いて来ていた。
 その為、俺達とはそれほど距離は空いていない。この辺は流石に、俺達の影といったところだろう。
 まぁそれはさておき、今、奴等に襲われるのは不味いので、俺が奴等の足止めをする事にした。
「アーシャさんッ、俺が奴等を暫く足止めしておきます。ですから、その間に扉を開いてください」
「と、扉と言われましても、後ろにあるのは鏡の壁じゃないですか。扉なんてどこにもありませんわッ」
「いいですかアーシャさん、向こうに見える黄金の扉は影なんです。ですから真実の扉は、絶対に影と正反対の位置にある筈です」
「影って……そういう意味だったんですの……分かりました。探してみますわ」
 アーシャさんもようやく理解したようだ。
 次は俺の番である。

 俺はこの2体の化け物を同時に相手する為に、1つ試したい事があった。
 それは魔法を両手で行使するという事である。
 ついさっきメラを使った時に、魔力の流れを簡単に操作できたので、やれそうな気がしたのだ。
 今になって気付いたが、ヴァロムさんにやらされたあの修行のお蔭で、魔力制御がだいぶ上達してたのである。
 そう考えると、あの憎たらしい呪いの武具も、ある意味、凄いモノなのかもしれない。
 まぁそれはさておき、以上の事から、俺は同じ魔法を両手で行使しようと思うわけだが、小さな火の玉を放つメラ程度では、すぐに奴等も行動を再開してしまう。
 その為、俺は試しにあの呪文を唱えてみる事にした。
 アレならば、魔力供給さえ止めなければ、暫く持続できる気がしたのだ。
 だが懸念はアーシャさんであった。が、もうそんな事は言ってられないので、後で事情を話して黙っていてもらうし
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