Lv10 ラーの鏡
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れなかった。
魔力疲労は肉体的な損傷とは違うので、それ程の効果は望めないようだ。
「コータローさん……今は私よりも、アッチです」
アーシャさんはそう言って、化け物を指さした。
すると2体の化け物は、まるでビデオを逆再生させたかのように、スッと起き上がって来たところであった。
「クッ、しつこい奴らだな。なんで動けるんだよ」
攻撃を大量に受けたにもかかわらず、化け物は平然としながら俺達へと向かって歩き出す。
と、その時であった。
化け物の1体が俺達に向かって右手を突き出し、呪文を唱えたのである。
【デイン】
その刹那、俺達に向かい、以前見たあの電撃が襲いかかってきた。
俺は慌ててアーシャさんをかばう。
そして、俺はデインの直撃を受けたのだ。
「グアァァ!」
「コ、コータローさん!」
電撃が俺の身体を走り抜ける。その痛みはメラの比ではなかった。
強烈な痺れと共に、刺すような痛みが全身を走り抜け、一瞬、気を失いそうになるほどであった。が……俺は両膝を付いて四つん這いになりつつも、なんとか持ちこたえた。そして、俺は化け物を凝視したのである。
(グッ……デインがこれほどキツイとは……なんでこいつがデインを使えるんだよ……)
この呪文を使える者は数えるほどしかいないと、ヴァロムさんは以前言っていた。それと、自分の知る限り、デインを使える魔物はいないとも……。
俺の中で更に疑問が深まってゆく。
「い、今の呪文は、まさか……イシュマリアの王位継承候補者しか使えない電撃呪文……。なぜ、こんな化け物が使えるんですのッ」
どうやら、アーシャさんも俺と同じ見解のようだ。
やはり、おかしいのである。
(どういうことだいったい……モシャスとかで俺の能力をコピーしたのなら、それも理解できるが……ン? モシャス? ……いや、違う。これはモシャスではない。まさか……こいつ等の正体とは……)
この時、俺の中にある仮説が浮かび上がってきた。
と、そこで、アーシャさんの悲鳴にも似た声が響き渡ったのである。
【コータローさん! また化け物がッ!】
俺は奴等に視線を向ける。
すると、デインを放った奴が、俺達に向かって、また右手を突き出していたのである。
(やばい……この動作はデインの気がする。この体勢じゃもう避けれない……今、もう一度喰らったら、確実に死んでしまう。何か方法は……アッ!)
この時、俺の脳裏に、とある光景が過ぎった。
そして、俺は一か八かの賭けで、それを実行に移したのである。
(上手くいってくれよ……)
俺は魔光の剣を手に取り、魔力を籠めて光の刃を出現させた。
と、次の瞬間。
【デイン】
また奴の手から電撃が放たれたのである。
俺は青白く輝く光の剣を
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