Lv10 ラーの鏡
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俺達は白い扉を開いて、その向こうへと足を踏み入れる。
扉の向こうには、今いた部屋と同じような広さの部屋があった。
また、この部屋の真ん中には、大きな宝箱みたいな箱が幾つかあり、それらが一列に並べて置かれていたのである。
どうやらこの中身が、精霊王からの贈り物なのだろう。
中に何が入ってるのか分からないが、少し、興味が湧いてきたところである。
アーシャさんはオッサンに確認する。
「この中に贈り物とやらがあるのですか?」
「うむ。そうだ。多分……」
俺はすかさず突っ込んだ。
「なんだよ、多分て……。自分のいた部屋の隣の事くらい覚えとけよ」
「う、うるさい。我は意思はあっても自由はないのだ。その辺は大目に見ろ」
と、そこでアーシャさんが仲裁に入ってきた。
「まぁまぁ2人共、落ち着いて。まずはこの中を見るのが先ですわ」
「そうですね。じゃあ、これから行きますね」
「どうぞ」
俺は一番手前にある箱を開けた。
すると中には、美しい装飾が施された鳥の翼みたいなのが、何枚も入っていたのであった。
その翼には金の装飾パーツや水晶といったものが使われており、どことなく美術品を思わせる品物のように俺には見えた。が、同時に、ドラクエの説明書か何かで、これと同じような物を見た気がしたのである。
「あら綺麗……何ですの、それは」
俺は丁度そこで、説明書に書かれていたコイツの名前を思い出した。
「多分、これはキメラの翼だと思いますよ」
続いてオッサンも。
「そうだ。これはキメラの翼だ。間違いない。我が保証する」
するとアーシャさんは目を大きく見開き、信じられない物を見るかのように叫んだのであった。
「キ、キキ、キメラの翼ですってェェェ!?」
(何をそんなに驚いているのだろう? 珍しいのか?)
俺は訊いてみた。
「アーシャさん。キメラの翼がどうかしたんですか?」
するとアーシャさんは、力強く解説を始めたのである。
「だってコータローさん、キメラの翼ですわよッ。これは古代魔法文明の全盛期ではそれほど珍しくはなかったらしいですが、今ではもう、失われた魔道具の1つとされている物なんです。それがここにあるんですよ。これが驚かずにいられますか! というか、なんで貴方はそんなに冷静なんですの!」
俺は思った。
キメラの翼まで失われていたのかよと。
またそれと共に、こうも思ったのである。
一体、どれだけのドラクエアイテムや魔法が失われているんだよと……。
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