Lv10 ラーの鏡
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ら俺達は、眩しい体験ばかりしてるのだ。
そんなわけで、いい加減、俺達の目もチカチカしてるのである。
まぁそれはさておき、暫くすると光は徐々に収束してゆき、この場は元の明るさへと戻っていった。
俺達はそこで祭壇に目を向ける。そして、驚愕したのだ。
「な!? 祭壇が消えているッ!」
「あの祭壇は、どこにいったんですの!?」
そう、あの祭壇が綺麗に無くなっていたのだ。まるで消失マジックのように……。
俺とアーシャさんは慌てて周囲を見回した。
すると、えらく低い位置から、あの声が聞えてきたのである。
【どこにも行っとらん。お主等の目はどこについておる。我はここだ】
俺は祭壇があったであろう床に目を向ける。
だがそこには、先程と同じような丸い鏡が1つあるだけで、他には何もないのであった。
1つ違いがあると言えば、鏡の縁取り部分が銀色から金色へと変化した事くらいだろうか。
とりあえず、視界に入ってくるのはそれだけなのだ。
俺は溜め息を吐くと言った。
「あの、ラーさんでしたっけ。祭壇はどこにも行ってないとか、我はここだとか、今言いましたけど。鏡しかないですやん」
「そうですわ。何言ってるのかしら」
アーシャさんも俺に同調してくれた。
すると、謎の声は呆れたように、こう告げたのであった。
「あのな……お主等の目は節穴か? 試練を乗り越えたというのに、ここでそれに気づかんとは……わざとやってるんじゃないだろうな」
「まさか、鏡がそうだとか言わないでしょうね。喋る鏡なんてあるわけないやんか」
「本当ですわ。あまり馬鹿にしないでください」
すると謎の声は、ボソリと呟いたのである。
【喋る鏡で悪かったな……】
それを聞いた俺とアーシャさんは、眉間に皺を寄せながら顔を見合わせる。
そして驚くと共に、叫んだのであった。
【鏡が喋ってるぅぅぅ!!】――
[V]
ラーの鏡が喋る事を知った俺達は、とりあえず、冷静になって話し合う事にした。
「ところでラーのオッサンさ。ここからそろそろ出たいんだけど、帰るのはどうすんだ? 俺達、ここに来るとき、旅の扉みたいなので運ばれたんだけどさ」
「いきなり、オッサン呼ばわりか……。まぁいい。こんなのでも一応、試練を通過した奴だ。許してやろう。我は心が広いからな。お主みたいに、貧相な上に、マヌケそうで、それでいて頭が悪そうで、馬鹿者で、礼儀知らずで、世間知らずで、糞野郎な青二才に、そうそう目くじらは立てん。ありがたく思え」
「……思いっきり心狭いやんけ。まぁいいや。で、どうやって帰るんだ?」
「出口は、お主達が来た最初の部屋の隣にある。我をその部屋の壁に向けろ。そうすれば、まやかしは解けて扉が見えるようになる」
どうやら、旅の扉で連れて
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