Lv10 ラーの鏡
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ろうか。
外周部分には、金属のような銀色の何かで縁取られていた。
とりあえず、そんな感じの鏡であった。
この鏡を見てまず思ったのが、『これがラーの鏡なのだろうか?』という事であった。
ゲームでは頻繁に出てくる名前だが、実物というのを見た事が無いので、俺には分からないのだ。が、しかし、眺めているだけでは事態は進展しないので、俺は更に祭壇へと近づいて、鏡を覗き込んだのである。
だが、至近距離でこの鏡を見るなり、俺は首を傾げたのであった。
「あれ、この鏡……なんか変だ」
「何が変なんですの?」
「だって、俺達の姿が映っていないんですよ。他の壁や床は映ってるのに……」
それを聞き、アーシャさんも鏡を覗き込む。
「ほ、本当ですわね……映ってませんわ」
「でしょ。何なんですかね。この鏡……」
と、そこでアーシャさんがポンと手を打つ。
「分かりましたわ。この鏡は多分、まやかしを映して、真実を映さないという鏡なんだと思います。ですから、これを使って真実を探せって事だと思いますわよ」
「あ、なるほど、多分、それですよ」
アーシャさんの言う通りかもしれない。
「じゃあ、早速、始めますわ。私が鏡で周囲を映しますので、コータローさんはそれらを確認していってください」
「分かりました」
と、その時であった。
どこからともなく、藤岡弘ばりの低い声色が聞こえてきたのである。
【……その必要はない。見事だ。お主等が全ての試練を乗り越えた事を認めよう】
「だ、誰だ!」
「誰ですの!」
俺達は思わず叫んだ。
【我が名はラー。真実を見通す者。そしてまやかしを打ち払う者である。さぁ偽像を映す鏡で、祭壇の中央にある太陽の印を映すがよい。そこに鏡を納めるのだ】
俺はこの突然の展開に少し混乱していた。
(ラーって……本人じゃんか。何だよ、この展開は……こんなのドラクエになかったぞ)
などと思いつつ、俺はそこでアーシャさんに視線を向けた。
アーシャさんは頷く。
「コータローさんにお任せしますわ」
「じゃあ、俺がやりますね」
そして俺は、祭壇の上にある鏡を手に取り、太陽のシンボルマークを映したのである。
するとなんと、鏡に映る太陽のシンボルマークの部分は、丸い窪みとなっていたのだ。
(この窪みに鏡を納めろってことかな……まぁいい、やってみよう)
というわけで、俺はその窪みに鏡を納めた。
するとその直後、祭壇は閃光のような物凄い光を発したのである。
それはまるで太陽光を直視するくらいの眩しさであった。
俺達はあまりの眩しさに、思わず顔を背けた。
「もう……またですの」
アーシャさんのウンザリした声が聞こえてくる。
確かに、アーシャさんの言うとおりである。
この遺跡に来てか
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