Lv10 ラーの鏡
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ラクエ風に言うならレベル5から6といったところだろうか。
そして、これがゲームならば、俺よりもアーシャさんの方が使えるキャラという事である。
「今の現状だと、アーシャさんが一番頼りになりそうですね。ところで、アーシャさんは戦闘経験とかあるんですか?」
「あ、あるわけありませんわ。あのお父様が、そんなことを許すとでも思っているのですか」
一応そんな気はしていた。
大貴族の娘だし、これは当然だろう。
というわけで、俺も正直に言う事にした。
「そうなんですか……じゃあ、俺と同じですね。……俺も戦闘経験ないです」
「最悪ですわね……」
俺達は互いの事実を知ることで、更に不安になってしまった。
そんな中、不気味な存在に動きがあったのだ。
【スカラ】
アーシャさん側にいる奴が、擦れた様な声でスカラを唱えたのである。
その直後、唱えた奴の周りを青白い光の霧が包み込み始めた。
するとそこで、今度は俺の前にいる奴が、擦れたような声で呪文を唱えてきたのであった。
【メラ】
次の瞬間、20cm程の火の玉が、俺に向かって襲い掛かってきた。
俺は咄嗟の判断で、身体を仰け反らせてかわそうとするが、避けきれず、肩口に直撃した。
「グワァッ!」
火の玉は肩口で爆ぜる。
当然、顔にも火の粉が飛んできた。
俺は慌てて火の粉を振り払う。
そして、即座に後ろへと下がり、こいつ等との間合いを広げたのであった。
「コータローさん! 大丈夫ですか!」
「だ、大丈夫です。肩口に当たっただけですから」
とはいうものの、内心は、痛みとそのインパクトで、俺は恐怖していた。
なぜなら、初めて魔法攻撃というものを受けたからである。
その為、今の攻撃は身体的にはそこまで大したことないが、精神的にはかなりくるものがあったのだ。
(怖ぇよ……メラ。初級魔法なのに、結構痛いじゃないか、クソッ……)
俺は負傷の確認をしようと、左肩をチラッと見た。
すると不思議な事に、みかわしの服には、当たったような痕跡は殆どなかった。
そういえば昨日、武器屋の店主がこんな事を言っていた。
このみかわしの服は、羽のように軽い生地に、守護の魔力を付加して作られた魔法の衣服であると。
これ見る限りだと、メラ程度なら十分耐えられる仕様なのかもしれない。
またそう考えると共に、俺は少しづつ落ち着きを取り戻していったのである。
(装備品はそれなりだから、何とか戦えるかも……)
と、そこで、アーシャさんの声が聞こえてきた。
「コータローさん。向こうは私達を敵だと思っていますわ。こちらも反撃しますわよ!」
「はい」
アーシャさんは杖を奴等に向け、呪文を唱えた。
【ヒャド!】
その直後、小さな氷の槍が杖の先に
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