Lv9 試練の道
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のか方法は……クソッ)
最悪の場合、救出されず、この場で人生を終える可能性だってあるのだ。
早めに何とかしないと、俺達はここで果てる事になってしまうのである。
(これは試練だ……とするなら、向こうに渡る方法が、何かある筈だ……それを早く見つけなければ……ン?)
と、そこで、アーシャさんの呟くような声が聞こえてきたのである。
「……この先は試練の道。前に進む勇気を我に示せ。勇気を持たぬ者には……死が待ち受ける」
「さっきの声が言っていた内容ですね。なにか分かりましたか?」
アーシャさんは俺に振り向く。
「コータローさん……この言葉、どう思いますか? 私、どうも引っ掛かるんです」
「と言いますと?」
「先程、あの布きれが燃えた事からも、あのマグマは本当のように思います。ですが、あの声は勇気をもって進めと言ってるのです。どういう事なのかしら……。あの中に進むなんてどう考えても自殺行為ですわ」
「確かにそうですね」
言われてみると、確かにそのとおりである。
あそこを進むのは、ガチの自殺行為だ。
「コータローさんの意見を聞かせてください。それに……悔しいですが……貴方はあの石版の謎を解いた事から考えても、私より柔軟な物の考えが出来る気がします。あのオルドラン様もそう思っているからこそ、先程、貴方に訊いたのだと思いますから」
そしてアーシャさんは、ションボリと俯いたのである。
今の言葉を聞いて、アーシャさんが俺を敵視していた理由が分かった気がした。
要するに、ぽっと出のわけの分からん俺みたいな奴が、高名な魔法使いであるヴァロムさんの弟子だったので、それが気に入らなかったのだろう。それで、ついつい意地を張ったに違いないのだ。
そう考えると、さっきまで面倒な子だと思っていたのに、途端に可愛いく見えるから不思議である。
まぁそれはともかく、マグマが本当だったので諦めてしまったが、とりあえず、あの言葉についてもう一度考えてみるとしよう。
「……分かりました。答えが見つかるかどうかわかりませんが、ちょっと考えてみます」
俺はさっきの言葉を脳内で復唱した。
(この先は試練の道……前に進む勇気を我に示せ……勇気を持たぬ者には死が待ち受ける)
考えれば考えるほど、やたら勇気という単語が目に付く文章である。
例えるならば、大事な事なので2回言いました的な感じだ。
そこで俺は考える。勇気ってどういう意味なんだろうと……。
(真正直に考えるならば、恐れずに立ち向かう心の強さ……これが勇気だと思うが……ン?)
と、その時、最後の一文が、非常に重要な文章に思えたのであった。
勇気を持たぬ者には死が待ち受ける……つまり、心に弱さを持つ者は、死が待っているという事である。
(心が弱いと死ぬし、心が強け
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